2040年のナトリウムイオン電池市場、2023年比3000倍超に急拡大:製造マネジメントニュース
富士経済は、リチウムイオン電池を大きく代替する可能性があるナトリウムイオン電池市場を調査し、その結果を「ナトリウムイオン電池のグローバル市場・プレーヤーに関する調査」として発表した。
富士経済は2024年6月18日、リチウムイオン電池(LIB)を大きく代替する可能性があるナトリウムイオン電池(SIB)市場を調査し、その結果を「ナトリウムイオン電池のグローバル市場・プレーヤーに関する調査」として発表した。2040年のSIB市場は、2023年比で3082.3倍の9247億円に急拡大する見込みだ。
SIBは、LIBと比較してエネルギー密度が低いものの、正極に鉄やマンガンなどの汎用材料、負極にカーボンを使用したレアメタルフリーのため、安定的かつ安価に製造できる。この特徴から、鉛蓄電池や高価なレアメタルを使うLIBを大きく代替する可能性がある。
市場の中心は、MWhレベルでの定置用蓄電池(ESS)導入やA00クラスの小型EVで採用が始まった中国だ。欧州は電動工具での採用、アジアでは電動二輪車と三輪車、フォークリフトの鉛蓄電池を代替する動きもある。これにより、2024年のSIB市場は前年比21.0倍の63億円を見込む。2025年ごろまでは、こうした用途での需要増加により、市場は拡大していくとみられている。
中長期では、エネルギー密度の低い鉛蓄電池やコストが高いLFP(リン酸鉄系)−LIBの代替が進み、xEV向け需要が大幅に拡大すると予想する。また、中国とインドではESS向け、北米や欧州ではUPS、基地局のバックアップ電源向けの需要が拡大し、2040年のSIB市場は2023年比3082.3倍の9247億円に急成長すると予測される。
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