Bluetoothの新機能「チャネルサウンディング」対応の測距評価キット:組み込み開発ニュース
アルプスアルパインは、Bluetooth Core 6.0の新機能「チャネルサウンディング」に対応した測距評価キットの提供を開始する。併せて、同キット搭載モジュールの量産も予定している。
アルプスアルパインは2025年4月9日、Bluetooth Core 6.0の新機能「チャネルサウンディング」に対応した測距評価キットの提供を、同年5月より開始すると発表した。併せて、同キット搭載のBluetooth Core 6.0対応モジュールの量産も同年度内に予定している。
同キットはアンカー(受信装置)とタグ(送信装置)、そして測距出力データを表示するアプリケーション(ソフトウェア)で構成。アンカーとタグ間で信号を送受信し、その位相差や往復時間から正確な距離を算出する。最大測定距離は見通し可能範囲で70m、アンカー1台構成時の測距精度は±30cm。アンカーとタグはそれぞれ複数台接続できる。
同社が2020年より提供しているBluetooth Low Energyを使用した高精度位置測位システム評価キットには、独自開発のアルゴリズムが搭載されている。今回の測距評価キットは、その独自アルゴリズムにBluetooth Core 6.0のPBR(Phase-Based Ranging:位相ベース測距)およびRTT(Round Trip Time:往復タイミング)のデータを組み合わせた。
あらゆる環境の影響を考慮した高精度距離の評価が可能で、測距精度やパフォーマンスをリアルタイムに確認しながら製品への適用性を評価できる。また、チャネルサウンディング技術を活用し、デジタルキーなどの想定ユースケースも検証可能だ。
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