ニデックがTOB対抗措置差止め申立て、牧野フライス「全く理由のないもの」:製造マネジメントニュース
ニデックは、同社がTOBを開始した牧野フライス製作所が対抗策として導入した、新株予約権の無償割当てを仮に差止めるための仮処分命令の申し立てを行った。
ニデックは2025年4月16日、同社がTOB(株式公開買い付け)を開始した牧野フライス製作所(以下、牧野フライス)が対抗策として導入した、新株予約権の無償割り当てを仮に差止めるための仮処分命令の申し立てを行ったと発表した。ニデックは、申し立ての概要や経緯について、同社のWebサイトで改めて公開するとしている。
牧野フライスは再三TOBの延期要請、ホワイトナイト出現待つ
ニデックは2024年12月27日、牧野フライスに対して2025年4月4日にTOBを実施すると予告。牧野フライスはTOBの予告以降、「あらゆる戦略的オプションを検討するため」(同社)、ニデックに2025年5月9日以降へのTOB開始の延期などを要請していた。
2025年3月10日には、牧野フライスは複数の第三者から完全子会社化を目的とした初期の意向表明書を受領したとし、比較検討の時間を確保するため、TOBの延期を再度要請。同月19日には、2025年5月8日までにニデックがTOBを開始した場合、ニデックと一般株主の間で条件の異なる新株予約権を無償割り当てする対抗措置を発表した。
それでもニデックは従来の発表通り、2025年4月4日にTOBを開始。牧野フライスは同年4月10日の取締役会で、TOBに対して反対の意見表明を決議するとともに、対抗措置としての新株予約権の無償割り当てと、同年6月に開催予定の株主総会において対抗措置の発動を株主に確認する議案の付議を決議した。
牧野フライスも2025年4月16日、ニデックの申し立てを受けて文書を発表しており、その中で「現時点では申立書を受領していないが、新株予約権の無償割り当ては2025年3月19日に導入した買収への対応方針に基づき適法かつ公正に決定したものであるため、申し立ては全く理由のないものであると考えている」と述べている。
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