IoTデバイスの遠隔制御機能を提供、多数デバイスの一括指示も可能:組み込み開発ニュース
ソラコムは、IoTデバイスの遠隔制御を可能にする「Downlink API」機能の提供を開始した。IoTプラットフォーム「SORACOM」を介して、サーバやアプリケーションからIoTデバイスへ制御指示を送信できるようになる。
ソラコムは2025年3月24日、IoT(モノのインターネット)デバイスの遠隔制御を可能にする「Downlink API」機能の提供開始を発表した。同年6月まで無料で試用でき、機能や開発方法の詳細はユーザードキュメント「Downlink API」から確認できる。
新機能は、SORACOM IoT SIMに割り当てられた一意の「SIM ID」に対し、コマンドやリクエストを送信できる機能だ。IoTプラットフォーム「SORACOM」を介して、サーバやアプリケーションからIoTデバイスへ制御指示を送信できるようになる。HTTP、HTTPS、SSHに対応しており、これらのプロトコルで待ち受けるソフトウェアを稼働させることで、デバイスの遠隔操作が可能になる。
同社は「SORACOM Gate」「SORACOM Napter」などを通じ、デバイスとサーバ間に安全な通信路を確立するサービスを提供しており、デバイスの初期セットアップや計画外メンテナンスといった手順を、対話型の遠隔アクセスでサポートしている。新機能は運用開始後の設定変更などの定型操作に適しており、同機能を繰り返し呼び出すことで多数のデバイスへの一括指示も可能となる。
例えば、数万台のデバイスに同じコマンドを一斉に実行するケースがある商用の大規模IoTシステムや、システムイベントをトリガーとしてサーバからデバイスへコマンドを送信し、遠隔操作をするシナリオを想定する。このような場面で新機能を活用することで通信負荷や処理負荷を軽減でき、シンプルかつ短期間での開発とスムーズな運用を支援する。
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