LTE不感エリアでWi-Fi HaLowを活用したドローン実験を実施:ドローン
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、携帯電話の電波が届かないエリアにおけるドローンサービスの実証実験を実施。通信状況に応じてLTEとWi-Fi HaLowを切り替え、ドローンを制御できることを確認した。
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは2025年3月25日、携帯電話の電波が届かないエリアにおける、Wi-Fi HaLowを活用したドローンサービスの実証実験を実施したと発表した。
実証実験は、LTEなどの通信サービスを利用できない「LTE不感エリア」がある広島県神石高原町の中山間地域にて実施した。通信状況に応じてLTEとWi-Fi HaLowを切り替え、ドローンを制御できることを確認した。Wi-Fi HaLowは約1kmの長距離通信が可能な新しいWi-Fi通信技術だ。
さらに、自律飛行するドローンが飛行ルート上の人物を検知したことをWi-Fi HaLowを介してPCで確認。その後、地上局からドローンへWi-Fi HaLow経由で安全地帯に着陸するよう指示すると、ドローンは指定通りの場所に着陸した。これにより、LTE不感エリアでもWi-Fi HaLowで地上に機体情報を転送し、地上からドローン制御が可能であることを確認できた。
過疎化や高齢化が進む地域では、店舗閉鎖、運転免許返納による交通手段の消滅により買い物困難者が発生している。その対策としてドローン物流の導入が検討されているが、LTE不感エリアによる飛行エリアの制約、ドローンに対する安全性への不安が課題となっていた。これらの課題を解決すべく、同社は総務省が実施する「令和6年度 地域デジタル基盤活用推進事業」として同実証を実施した。
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