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半径1kmの無線伝送が可能、IEEE 802.11ah対応のアクセスポイントを開発:組み込み開発ニュース
フルノシステムズは、Wi-Fiの新規格「IEEE 802.11ah」に対応したアクセスポイント「ACERA 330」を開発した。長距離かつ高速通信が可能で、センサー情報だけでなく、画像や映像の伝送にも適する。
フルノシステムズは2022年10月27日、Wi-Fiの新規格「IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)」に対応したアクセスポイント「ACERA(アセラ) 330」を発表した。長距離かつ高速通信が可能で、センサー情報だけでなく、画像や映像の伝送にも適する。同年12月下旬から発売予定で、年間5000台の販売を目指す。
ACERA 330は、業務用無線LANアクセスポイント「ACERA」シリーズの新製品だ。オフィスや学校、公共施設、商業施設などで、タブレット端末やノートPCなどのICT機器を接続できる。
IoT(モノのインターネット)の通信システムとして期待される920MHz帯のIEEE 802.11ah規格を搭載し、Wi-FiでIoTを実現するアクセスポイントとして、通信基盤の構築に適する。通信距離は半径約1km、通信速度は理論値で最大1.5Mbps。従来のWi-Fi規格「IEEE 802.11n/b/g」やBLE(Bluetooth Low Energy)も実装する。
動作温度は−20〜60℃で、防塵(じん)防水規格「IP55」に準拠する。オプションの太陽電池と組み合わせれば、電源を確保しにくい場所にも設置できる。クラウドを活用して、遠隔からもネットワークを管理できる。
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