LPWA版Wi-Fi「802.11ah」のデモを国内初披露、2.4GHz帯干渉問題も解決:ESEC2019&IoT/M2M展
サイレックス・テクノロジーは、「第8回 IoT/M2M展 春」において、「国内初」(同社)というIEEE 802.11ahのデモを披露した。
サイレックス・テクノロジーは、「第8回 IoT/M2M展 春」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)において、「国内初」(同社)というIEEE 802.11ah(以下、802.11ah)のデモを披露した。
Wi-Fi HaLowとも呼ばれる802.11ahは※)、1kmの遠距離通信が可能なWi-FiのLPWA(低消費電力広域)ネットワーク版として知られる。また、802.11ahは、Bluetoothなどでも使用する2.4GHz帯の干渉問題が起きない920MHz帯を用いている。「さらに、Wi-Fiと同じIP通信であること、他のLPWAネットワークのように月額の利用料金を支払わなくてもいいことも特徴になる」(サイレックス・テクノロジーの説明員)。
※)関連記事:第4のLPWA規格「IEEE 802.11ah」こと「Wi-Fi HaLow」は起動するか
今回の展示デモでは、NewracomのIEEE 802.11ah対応ICを用いてサイレックス・テクノロジーが通信モジュール「SX-NEWAH」を開発し、試作品として電波送信認可を取得している。デモ内容は農園見守りシステムをイメージしており、遠く離れた山の畑に現れた動物をカメラで確認したら、手元のタブレット端末に表示してブザーボタンを押して追い払うというもの。自宅にあるIEEE 802.11ah対応のトライバンドのWi-Fiアクセスポイント「AP-610ACH」を用いて、カメラとブザーとの通信はIEEE 802.11ahで、タブレット端末との通信は5GHz帯のIEEE 802.11acで行う。
サイレックス・テクノロジーによるIEEE 802.11ahを用いた農園見守りシステムのデモ。写真内右下にあるのがIEEE 802.11ah対応の通信モジュールで、デモ展示の情報に設置されているトライバンドWi-Fiアクセスポイントを経由して、タブレット端末にカメラ画像が送信される。タブレット端末の画面のボタンを押せば、対応するブザーが鳴る仕組みだ(クリックで拡大)
また、LPWAネットワークとして、カメラの画像を送信できるレベルの通信速度があることも特徴の1つになる。米国では最高13.5Mbps、日本では同3Mbpsの通信が可能。ただし日本での電波送信は1時間につき360秒までという制限がある。「当社が参加する802.11ah推進協議会でも、米国と同じフルスペックでの利用が可能になるよう検討を進めている」(同説明員)という。
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