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Wi-Fi HaLow対応のIoTデバイス向け通信モジュールを発表:組み込み開発ニュース
村田製作所は、1km以上の長距離での高速データ転送が可能なWi-Fi規格「Wi-Fi HaLow」に対応した通信モジュール「Type 2HK」「Type 2HL」を開発した。
村田製作所は2024年12月5日、1km以上の長距離での高速データ転送が可能なWi-Fi規格「Wi-Fi HaLow」に対応した通信モジュール「Type 2HK」「Type 2HL」を開発した。2025年10月〜2026年3月に量産を開始する。
開発した無線モジュールは、出力強化用パワーアンプを搭載したType 2HKと、非搭載のType 2HLの2品種だ。両品種とも「Arm Cortex-M3」プロセッサを搭載し、サイズは18×14×2.3mmとなっている。両モデルともNEWRACOMの「NRC7394」を搭載し、産業機器に求められる−40〜+85℃の動作温度に対応する。各モジュールは出荷時に1台ずつ出力調整し、多様な環境下で安定した通信を保証する。
スマートシティーやスマートホーム、産業機器、医療機器など幅広い分野での活用を想定しており、北米と日本での電波利用に向けた認証の取得を予定している。そのため別途認可取得が必要なく、市場投入までの時間を短縮できる。
Wi-Fi HaLowは「IEEE 802.11ah」として標準化しており、従来のWi-Fiが使用する2.4GHzや5GHz帯ではなく900MHz帯を利用する通信規格だ。IPを利用する通信規格のため、既存のWi-Fiソリューションを置き換えてIoT(モノのインターネット)ネットワークを構築できる。
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