通信距離を最大1kmまで延伸するWi-Fi機器、IEEE 802.11ahに対応:製造業IoT
サイレックス・テクノロジーは、Wi-Fi機器の通信距離を最大1km先まで延伸するワイヤレスブリッジ「EX-150AH」を発表した。既存のWi-Fi機器の通信範囲を10倍まで延長できる。
サイレックス・テクノロジーは2024年6月4日、Wi-Fi機器の通信距離を最大1km先まで延伸するワイヤレスブリッジ「EX-150AH」を発表した。同年7月16日に販売開始する。
EX-150AHは、IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)とWi-Fi 6に対応し、既存のWi-Fi機器の通信範囲を10倍まで延長できる。IEEE 802.11ah対応アクセスポイントとの組み合わせで、Wi-Fi電波が届かない場所でもインターネット接続が可能だ。
既存のWi-Fi機器から平均1Mbpsの長距離データ通信が可能で、大容量の動画、画像、音声、センサーデータを伝送できる。また、Wi-Fi中継機やリピーターを配置することなく、低コストでWi-Fi環境の拡張をサポートする。タブレットやポータブルバッテリーなどの5V、1.5Aに対応したUSBポートからの給電が可能で、設置の手間を軽減できる。
IEEE 802.11ahおよびIEEE 802.11axに準拠し、瞬間最大ビットレートはIEEE 802.11ahで15Mbps。USB Type-Cから5V受電し、DCコネクターからの12、24V受電する。
工場、物流や倉庫、建設現場、医療施設、河川監視や防災、農業など、さまざまな業界での活用が期待できる。Wi-Fiやイーサネットが届かない場所へのWi-Fiカメラ設置、Wi-Fi搭載機器からの長距離かつリアルタイムなデータ送信、アクセスポイントの設置が困難な場所での通信などを想定している。
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