IEEE 802.11ah対応の組み込み用無線LANモジュールを受注開始:製造業IoT
サイレックス・テクノロジーは、Wi-Fi新規格の長距離無線通信「IEEE 802.11ah」に対応した組み込み用無線LANモジュールの工事設計認証を取得した。無線LANモジュール、アクセスポイント、無線LANブリッジの3種の出荷を開始する。
サイレックス・テクノロジーは2022年11月1日、Wi-Fi新規格の長距離無線通信「IEEE 802.11ah」に対応した組み込み用無線LANモジュールの工事設計認証を取得し、受注を開始した。IEEE 802.11ah対応製品は、無線LANモジュール「SX-NEWAH(JP)」、アクセスポイント「AP-100AH(JP)」、無線LANブリッジ「BR-100AH(JP)」の3種で、同月内の出荷開始を予定する。
SX-NEWAH(JP)は、アクセスポイントモードやステーションモードに対応。動作温度範囲は−40〜+85℃で、サイズは20.5×27.0×3.1mm、重量は3.0gとなる。同製品をRaspberry Pi接続用のインタフェースボードに搭載した評価キット「SX-NEWAH-EVK(JP)」も提供する。
アクセスポイントのAP-100AH(JP)は、1台で半径1kmの範囲をカバーする。最大無線子機接続台数は675台で、Wi-Fiセキュリティ規格「WPA3」やネットワークアドレス変換に対応する。
BR-100AH(JP)は、有線LAN機器を到達距離1kmのIEEE 802.11ahネットワークに接続する無線LANブリッジ。1台で最大16台の有線LAN機器を無線化し、WPA3に対応する。MACアドレスによるデバイスフィルター機能も備えた。
IEEE 802.11ahは、長距離無線通信と映像や画像を送信可能な通信速度を両立し、無線LANの利用範囲を拡張する通信方式として期待されている。日本では、同年9月に総務省が「無線設備規則の一部を改正する省令(令和4年総務省令第60号)」および関連する告示を公布、告示し、920MHz帯で最大4MHz幅の広帯域が利用可能となった。
従来のLPWA(Low Power Wide Area)通信は、方式によってはスループットが低く、サイズが小さい通信での用途に限定されていた。長距離無線通信のIEEE 802.11ahは、大型の倉庫や工場、屋外での環境監視、防犯、車両間通信など、有線ケーブルの使用が困難な場面での利用が期待される。
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