フィジカルAIを活用した自律型画像診断の開発推進に向けた協力を開始:医療機器ニュース
NVIDIAとGE HealthCareは、フィジカルAIを活用した自律型画像診断の開発推進を目指して協業する。自律型X線技術と超音波アプリケーションの開発を中心とし、自律型画像イノベーションを推進する。
NVIDIAは2025年3月18日(現地時間)、フィジカルAI(人工知能)を活用した自律型画像診断の開発推進を目指し、GE HealthCareとの協業を発表した。自律型X線技術と超音波アプリケーションの開発を中心とし、自律型画像イノベーションを推進する。
X線や超音波などのシステムに自律性を組み込むことで、患者の配置、画像スキャン、品質チェックなど複雑なワークフローを自動化できる。しかし自動化の一方で、医療用画像システムが物理的な世界を理解し、動作することが必要だ。
これを達成するため、GE HealthCareは新しい「NVIDIA Isaac」をヘルスケア向け医療機器シミュレーションプラットフォームに活用している。プラットフォームには事前トレーニング済みのモデルに加え、センサー、解剖学、環境の物理学ベースのシミュレーションが含まれており、仮想環境で自律型画像システムの機能トレーニング、テスト、検証を実施した上で、物理的な世界に展開できる。
また、シミュレーション環境などのユースケース向けに、「Isaac for Healthcare」で、他の顧客もサポートする。Isaac for Healthcareは、ロボティクス向けのNVIDIAの3つのコンピュータ「NVIDIA DGX」「NVIDIA Omniverse」「NVIDIA Holoscan」上に構築されたフィジカルAIプラットフォームだ。さまざまなシナリオへの対応方法をロボットに教えるため、開発者は医療環境の物理ベースのデジタルツインにアクセスし、カスタマイズしたセンサー、機器、解剖学的構造を取り入れられる。
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