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900℃の赤熱外筒でスポンジチタンを製造! 茅ヶ崎工場の作り方を披露:工場ニュース(3/3 ページ)
東邦チタニウムは、神奈川県茅ヶ崎市の茅ヶ崎工場で見学会を開催し、同工場の概要やスポンジチタン製造工程の一部を紹介した。
茅ヶ崎工場の見学会
茅ヶ崎工場の見学会では、クロール法を用いたスポンジチタンの製造プロセスにおける還元/分離の工程を披露した。
還元/分離の工程手順は、まず四塩化チタンとマグネシウムを鉄製の反応容器「赤熱外筒(せきねつがいとう)」の中に入れる。次に、この赤熱外筒を反応炉に格納し、約900℃の反応温度で5日間をかけて化学反応を起こす。「赤熱外筒の重さは17tで1つにつき8tのスポンジチタンを製造できる。工場内には20セットの反応炉がある」(中島氏)。
化学反応が完了した赤熱外筒は、30tクレーンで分離炉に移す。続いて、分離炉で真空ポンプにより内部を減圧しながら1000℃に加熱し、5日間をかけて塩化マグネシウムを分離する。還元/分離されたスポンジチタンは冷却工程の後、破砕、整粒、梱包を経て、出荷される。
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