SOLIDWORKSの利点をビジネスに 受注仕様生産を支援する「SOLIDWORKS CPQ」発表:3DEXPERIENCE World 2025
ダッソー・システムズは米国テキサス州ヒューストンで開催した年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」において、顧客要件に合わせた製品構成と見積書の作成を、AIを活用して支援するソリューション「SOLIDWORKS CPQ」を発表した。
ダッソー・システムズは、米国テキサス州ヒューストンで開催した年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」(会期:2025年2月23〜26日/会場:ジョージ R.ブラウン コンベンションセンター)の初日のゼネラルセッション(同月24日)において、顧客要件に合わせた製品構成と見積書の作成を、AI(人工知能)を活用して支援するCTO(Configure to Order/受注仕様生産)向けソリューション「SOLIDWORKS CPQ(CONFIGURE、PRICE、QUOTE)」を発表した。
SOLIDWORKS CPQには強力な生成AI機能が統合されており、製品ポートフォリオの管理から開発、製造、販売までをバーチャル上で連携/統合し、カスタマイズ製品の受注〜納品のプロセスを効率化する。提供開始は2025年夏を予定している。
ダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏は、SOLIDWORKSの“New Era(新しい時代)”の1つとして、SOLIDWORKS CPQを紹介。「今後SOLIDWORKSは設計や解析、製造の枠を超えて、ビジネスの成長に役立つプラットフォームとして進化する」(クマー氏)とアピールした。
この言葉が示す通り、SOLIDWORKS CPQはSOLIDWORKSの利点を設計者だけでなく、プロダクトマネジャーや技術営業にももたらし、顧客要件にマッチした製品構成を迅速に定義/設計することが可能で、短時間で正確な見積書を作成できる。これにより、「ユーザー企業はより多くのビジネスを獲得できるようになる」(クマー氏)という。
また、SOLIDWORKS CPQは、同社が2025年2月に発表した次世代のイノベーションを推進するサービス「3D UNIV+RSES」を構成するバーチャルツイン、バーチャルコンパニオン、ジェネレーティブエクスペリエンス、センスコンピューティングといった最新技術を活用することが可能だ。
例えば、製品の構成ルールを3DEXPERIENCEプラットフォーム上のバーチャルツインと接続させることにより、設計チームはSOLIDWORKS CPQを使用して、材料選定や構造強度、供給状況、価格設定といった各種要素を迅速かつ容易に検討できる。一方、技術営業は正確な見積書を作成できるとともに、3Dで構成された製品をXR環境を通じて提示することが可能となり、最終的な意思決定の迅速化につなげられる。
その他、SOLIDWORKS CPQは市場動向や顧客ニーズの変化に応じた製品定義を柔軟に更新でき、見積もり承認プロセスの効率化や受注遅延の削減に寄与する機能なども提供する。
3DEXPERIENCE World 2025 現地レポート
- 宇宙開発都市ヒューストンでユニバースを叫ぶ!? 3DEXPERIENCE World 2025開幕
- AIのパワーを誰でも最大限に引き出せる「SOLIDWORKS」で限界なき成長へ
- 設計開発の在り方が大きく変わる!? AI搭載の仮想コンパニオン「AURA」とは
- ダッソーとAppleが提携、「Vision Pro」向けアプリを2025年夏にリリース
- SOLIDWORKSの利点をビジネスに 受注仕様生産を支援する「SOLIDWORKS CPQ」発表
- Boston Dynamics創業者が語る ロボットづくりの本質
- 赤から青、そして青から赤へ 「3DEXPERIENCE World 2025」で感じた変化
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
宇宙開発都市ヒューストンでユニバースを叫ぶ!? 3DEXPERIENCE World 2025開幕
ダッソー・システムズ主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。今回の見どころを紹介する。AIのパワーを誰でも最大限に引き出せる「SOLIDWORKS」で限界なき成長へ
ダッソー・システムズ主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。本稿では初日(現地時間:2025年2月24日)のゼネラルセッションにフォーカスし、ダッソー・システムズ、「SOLIDWORKS」および「3DEXPERIENCE Works」のキーマンの発表内容を中心にお届けする。設計開発の在り方が大きく変わる!? AI搭載の仮想コンパニオン「AURA」とは
ダッソー・システムズ主催の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」が米国テキサス州ヒューストンで開幕した。本稿では2日目(現地時間:2025年2月25日)のゼネラルセッションのうち、今回新たに発表された「Virtual Companions」とその1つである「AURA」の話題を中心に取り上げる。ダッソーとAppleが提携、「Vision Pro」向けアプリを2025年夏にリリース
ダッソー・システムズは米国テキサス州ヒューストンで開催した年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2025」において、Appleの空間コンピューティングデバイス「Vision Pro」に対応したアプリケーション「3DLive」を2025年夏ごろにリリースすることを発表した。ダッソーが目指す生成経済の実現に向けた新たなマイルストーン「3D UNIV+RSES」
ダッソー・システムズは、同社のIP(知的財産)ライフサイクル管理機能「POWER’by」の中核に、複数の生成AIを組み込んだ新サービス「3D UNIV+RSES」の提供開始を発表した。ダッソー・システムズの新CEOダロズ氏が事業戦略や今後の方向性について言及
ダッソー・システムズは年次イベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2024」に併せてプレスブリーフィングを開催。ベルナール・シャーレス氏に代わって、2024年1月からCEOに就任したパスカル・ダロズ氏が同社のビジョンや方向性などについて語った。