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RISC-V CPUコアを搭載する先端的なパワー制御システム向けMCUをTSMCと共同開発:組み込み開発ニュース
サンケン電気は、TSMCの22ULLプロセスおよびRRAM技術を活用し、RISC-V CPUコアを搭載した先端的なMCUを共同開発した。さまざまなパワー制御アルゴリズムを高性能処理できる。
サンケン電気は2025年2月20日、TSMCの22ULL(22nm Ultra-Low Leakage:22nm超低リーク)プロセスおよびRRAM(抵抗性ランダムアクセスメモリ)技術を活用し、RISC-V CPUコア搭載の先端的なMCUを共同開発したと発表した。
同MCUは、サンケン電気のハードウェアやソフトウェアによる先進的なパワーエレクトロニクス制御技術と、TSMCの22ULLプロセス、RRAM不揮発メモリ技術、高品質のチップ製造能力を組み合わせて開発した。
サンケン電気のパワー制御システム向けMCUは、優れた処理能力を持つヘテロジニアスマルチコアを特徴とする。浮動小数点命令をサポートするRISC-V CPUコア、独自の浮動小数点DSPコア、低遅延タスクを切り替えられる独自のEPU(イベント処理ユニット)コアで構成されており、さまざまなパワー制御アルゴリズムを高性能処理できる。
高解像度のPWMタイマーや高速A-D変換器など使いやすい機能を多数搭載し、効率的に先進パワー制御システムを構築できる。また、RRAM技術により、アプリケーション層の不揮発データを柔軟かつ容易に管理できる。
両社は、同MCUを搭載したパワー制御システム用デバイスを世界中の顧客に提供する。サンケン電気での量産開始は同年10〜12月期を予定している。
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