シノプシスがプロセッサIPにRISC-Vを採用、その名も「ARC-V」:組み込み開発ニュース
シノプシスは、車載システムやストレージ、IoTアプリケーション向けのプロセッサIP「ARC-V」を発表した。32ビットの「ARC-V RMX」「ARC-V RHX」、64ビットの「ARC-V RPX」を用意する。
シノプシス(Synopsys)は2023年11月7日、車載システムやストレージ、IoT(モノのインターネット)アプリケーション向けのプロセッサIP「ARC-V」を発表した。オープンソースの命令セット「RISC-V ISA」をサポートし、拡張性が高いため、消費電力、性能、面積(PPA)のバランスを最適化できる。
32ビットのエンベデッドプロセッサIP「ARC-V RMX」と、32ビットのリアルタイムプロセッサIP「ARC-V RHX」、64ビットのホストプロセッサIP「ARC-V RPX」を用意する。
同社のソフトウェア開発ツールチェーン「MetaWare」を利用でき、設計者はARC-V向けのコードを効率的に作成できる。また、AI(人工知能)ベースのフルスタックEDAスイート「Synopsys.ai」がすぐに使用できる設計、検証環境を提供する。「Fusion QuickStart Implementation Kit」により、スクリプト、リファレンスガイド、ベースラインフロアプランを提供することで、設計の生産性と品質向上を図ることができる。
システムレベルで消費電力や性能を解析、最適化できるアーキテクチャ開発ソリューション、ハードウェアアシスト検証、仮想プロトタイピングソリューションなどにより、検証、システムバリデーション、ソフトウェア開発を迅速化できる。
ARC-V RMXは2024年第二4半期、ARC-V RHXとARC-V RPXは同年下半期に提供を開始する予定だ。
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