カメラ画像を使ったAI処理ができる組み込みCPU基板を工作機械に搭載:工作機械
DMG森精機は、グループ会社のDMG MORI Digitalが新開発した組み込みCPU基板の「Digital E3 Core」シリーズ「エッジAIボード」を工作機械に搭載する。カメラ画像を使ったAI処理が可能となる。
DMG森精機は2025年1月31日、グループ会社のDMG MORI Digitalが開発した「Digital E3 Core」シリーズの「エッジAIボード」を工作機械に搭載すると発表した。
同製品は、Arm Cortex-A53(1.6GHz)4コアCPU「i.MX 8M Plus」搭載の組み込みCPU基板だ。カメラ画像を使った物体検知などのAI(人工知能)処理を、内蔵NPUと合わせて省電力かつリアルタイムに実行する。オプションの高性能カメラ(5MP)は小型で電源不要。2台の接続が可能で、最大15mまで延長できる。
同社の「AIチップリムーバル」から搭載を開始する。AIチップリムーバルは加工中に発生する切りくずの堆積状況をAIで分析し、切りくずの効率的な自動除去をサポートする製品だ。
エッジAIボードを工作機械の制御盤内に設置することで、これまで別置きしていた産業用PCや各種電装機器を内蔵した大型電装ボックスなどが不要になる。ファンレスかつ小型で設置しやすく、振動や加工熱、オイルミスト、電磁波ノイズなどが発生する厳しい環境条件でも動作する。
クラウドとLANといった複数セグメントへの接続のため、Gigabit Ethernetを2ポート搭載。USB周辺機器への接続のため、USB3.0(Type-C)も1ポート備えている。拡張バス経由でSDIOやSPIなどのインタフェースも追加できる。
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