DMG森精機が機械ではなくサービスエンジニアのシェアに力を入れる理由とは:2024年度上半期決算(1/2 ページ)
DMG森精機は2024年度上半期(2024年1〜6月期)の決算を発表した。
DMG森精機は2024年7月31日、2024年度上半期(2024年1〜6月期)の決算を発表。同日、代表取締役社長の森雅彦氏がオンラインで記者説明会を行った。
補修部品、サービス受注が経営の安定に貢献
2024年度上半期の連結受注額は前年同期比3%減の2667億円だった。そのうち、4〜6月の連結受注額は同1%減だった。2024年度の受注額は当初の計画より100億円増の5300億円に上方修正した。営業利益は同3%増の232億円だった。連結受注残は2730億円となっている。「大変不安定な上半期だったが、2024年6、7月で受注が上向いてきて、大口案件も数件あった。底を打って、これからやや上昇局面に戻っていくのではないか」(森氏、以下同)。
補修部品、サービス受注額は同12%増の626億円となり、連結受注額に占める割合は23%となった。「既に納入している機械の稼働率が上がってきており、ユーザーからのニーズが高まっている。安定的な経営に役立っている」。同時5軸加工機、複合加工機などの工程集約機や周辺装置を含めた自動化ニーズを捉え、受注平均単価は7340万円となっている。
地域別受注では米州で航空宇宙や半導体、医療などにおいて好調を維持し、日本やアジアも上向いている。欧州は第1四半期に行った展示会での受注増の反動はあるが堅調を保っている。「韓国企業がベトナムで半導体関係の大きな投資に動いている。ドイツに一時の勢いはないが、アジアまで広く伸びていったサプライチェーンをヨーロッパに戻し、工程集約しようという大きなうねりを感じている」。
連結受注構成では医療、航空宇宙、金型が好調だった。半導体関連も第2四半期から再度回復基調だという。工程集約、自動化対応機種がけん引しており、ユーザーの規模も大手から中堅、中小に広がりつつある。「EV(電気自動車)化に伴って、金型の作り方も変わってきている。メリハリのきいた金型をマシニングセンタで削れるようになってきている。“放電加工機レス”のようなところで引き合いが強く出ている」。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.