大雪時の車両スタックを早期検知、各種情報や独自AIの活用で:安全システム
Specteeは、車両データ、SNS及び気象情報を活用し、同社独自のAIで解析することで、大雪時の車両スタックを早期に検知する技術を開発し、特許申請した。雪害対策の早期対応や効率向上に貢献する。
Specteeは2025年2月3日、車両データ、SNSおよび気象情報を活用し、同社独自のAIで解析することで、大雪時の車両スタック(滞留)を早期に検知する技術を開発し、特許申請したと発表した。雪害対策の早期対応や効率向上に貢献する。
今回開発した技術では、自動車のプローブデータ(自動車の走行位置、速度など)や、SNSなどを活用した過去の車両滞留の発生場所の情報、気象情報などをトータルに駆使し、同社独自に開発したAIで解析し、地図上のエリアを網の目(メッシュ状)に分割して表示することで滞留状況を可視化した。
これまでもSpecteeでは、道路カメラを使ったスタックを検知する技術を開発してきたが、カメラを設置していない箇所では検知できず、カメラ設置の少ない山間部など広域のカバーが難しかった。また、カメラの画像を24時間リアルタイムで分析するのはコストを要するという大きな課題もあった。今回の新技術では、自動車のプローブデータを活用することで、それらの課題を解決し、より広いエリアで、より低コストにスタック検知が可能になった。
加えて、今回はSNS投稿など多様な情報ソースによる膨大な蓄積データも活用して過去のスタックの程度や現在の状態を解析し、精緻に検知し表示する仕組みを作り上げた。なお、同技術は特許出願中で、サービスの提供時期および提供方法は未定だ。
近頃、豪雪や吹雪の影響で国道や高速道路などでは大規模な車両スタックがたびたび発生し、物流トラックの輸送や自動車の通行に支障を来すなど、毎年のように雪害が起こっている。これまでの自治体や道路管理会社による雪害対策では、車両の滞留状況の解析が困難で、速やかな状況把握に課題があった。
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