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ながら操作や指さし不足を検知、フォークリフト向けAI分析を開始安全システム(1/2 ページ)

豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーと富士通はフォークリフトの安全運転を評価するサービス「運転動画AI解析」を開発した。

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ドライブレコーダーの映像からフォークリフトの安全運転を評価するサービス「運転動画AI解析」のイメージ[クリックで拡大] 出所:富士通

 豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーと富士通は2024年7月23日、ドライブレコーダーの映像からフォークリフトの安全運転を評価するサービス「運転動画AI解析」を開発したと発表した。トヨタL&FによるWebアプリケーションのサブスクリプションサービス「FORKLORE(フォークロア)」を通じて提供する。

 フォークリフトによる死傷事故は年間で2000件前後発生しているが、ここ10年間、横ばいの状態が続いている。労働力不足で不慣れなフォークリフトオペレーターが増加しており、安全対策の重要性が増しているという。

 安全対策としては、周辺の作業者にフォークリフトの存在を回転灯やブザーで知らせたり、歩行者用の通路や死角を補助するミラーなどを活用したりする方法がある。また、フォークリフトのオペレーターに安全運転を教育するため、フォークリフト用ドライブレコーダーを使う企業が増えつつある。ドライブレコーダーがなければ事故やヒヤリハットの状況把握に時間がかかり、報告にかかる工数が大きい。また、オペレーターによってはヒヤリハットを報告しないこともある。国内の新車フォークリフトでのドライブレコーダー装着率は1〜2割程度だが、大手企業を中心にドライブレコーダーを活用している。

 ただ、ドライブレコーダーを装着していても、記録映像の確認に多くの時間を要し、評価がばらつくことが課題となっている。新サービスの運転動画AI解析では、安全運転評価を効率化し、評価のばらつきを平準化することで安全運転教育を支援する。

 フォークリフト用のドライブレコーダーは、オペレーターとフォークリフトの周囲360度を頭上から記録する。その映像をクラウド上で解析する際、フォークリフトの旋回や走行、フォークの動き、オペレーターの安全確認動作などを学習したAI(人工知能)を使用する。

 不安全な動作である「走行荷役同時操作」「後進時指さし確認不良」「前後進切り替え時一時停止不良」「急旋回」などをAIが自動で検出し、チャプターを作成する。約20種類の基本動作を検知対象とし、作業内容や運搬物など現場ごとの違いに応じて基本動作を組み合わせてフレキシブルに不安全行動を追加できるようにした。これにより、安全運転教育の担当者が不安全な動作があった部分のみを抽出して閲覧することができる。AIは、人間が目視で確認した不安全行動の9割を検出できるという。


解析結果の閲覧画面のイメージ[クリックで拡大] 出所:富士通

 ドライブレコーダーの映像は豊田自動織機が契約したマイクロソフトのAzureにアップロードされ、富士通のクラウドと連携して内容を解析する。オペレーターが複数いる場合はヘルメットに専用のAR(拡張現実)マーカーを貼り付けることで1人1人を識別する。それぞれのオペレーターもしくは車両を対象に、毎月10分間の動画をAIが解析し、オペレーターの癖を可視化する。

 また、各オペレーターの運転の安全度合いを成績表として出力することも可能だ。単月から複数月まで成績を表示でき、運転の改善状況を見ることができる。料金体系を1年間のサブスクリプション契約とすることで、長期間の継続的な安全指導ができるとしている。


安全運転評価のイメージ[クリックで拡大] 出所:富士通

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