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認知機能の低下を運転から検出できるか、スズキが大分県で研究:安全システム
スズキと大分大学、臼杵市医師会は、認知機能が低下した場合に現れる車両の操作や挙動の特徴を明らかにする共同研究を開始する。
スズキと大分大学、臼杵市医師会は2025年1月31日、認知機能が低下した場合に現れる車両の操作や挙動の特徴を明らかにする共同研究を開始すると発表した。認知機能と運転特性の関連を調べることで認知機能の低下を早期に発見/予防し、安全に長く運転し続けられる社会の実現を目指す。
共同研究では、臼杵市医師会に所属するかかりつけ医の協力の下で、臼杵市在住でスズキ車を日常的に使用する65歳以上のドライバーを募集する。臼杵市医師会立コスモス病院や臼杵市医師会立市民健康管理センター、大分大学医学部神経内科学講座が連携して、認知機能テストや運動機能検査、脳の形態や機能の検査などさまざまなデータを収集。そして、2カ月間の日常運転データを取得した後、スズキの横浜研究所で分析し、認知機能と運転がどのような関係を持つか検証する。
研究成果を基に、日常の運転から認知機能の低下を検出する技術を開発するとともに、データを活用して個人に合わせた安全運転の仕組みを提供するなど、一人一人が安心安全に移動できる価値の創出に取り組む。
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