鉱山ダンプの燃費改善、タイヤ寿命向上を目的とした実証実験を開始:安全システム
ブリヂストンとコマツは、鉱山向けダンプトラックの燃費改善やタイヤ寿命向上を目的に両社のシステムのデータをリアルタイムで共有、解析する実証実験を開始する。
ブリヂストンとコマツは2025年2月5日、鉱山向けダンプトラックの燃費改善やタイヤ寿命向上を目的に両社のシステムのデータをリアルタイムで共有、解析する実証実験を開始すると発表した。
同実証実験は両社の共通の顧客の現場で、実際にダンプトラックを使用して実施する。ブリヂストンは、同社の鉱山車両向け次世代タイヤモニタリングシステム「Bridgestone iTrack」により得られるタイヤの温度、空気圧、車両位置情報や走行速度などのデータを分析することで、タイヤの状態を把握することに加え、オペレーションの最適化に寄与する鉱山ソリューションを進めている。
コマツは、同社の鉱山向け大型機械の管理システム「Komtrax Plus」により、機械の状態および稼働状況を把握し、機器異常の早期発見や修理コスト低減、生産性向上を図ることで、顧客をサポートしている。両社は、それぞれのノウハウを組み合わせることで、さらなる高付加価値のサービスや画期的なソリューションを鉱山の顧客に提供していきたいとしている。
厳しい環境の鉱山現場でのオペレーションでは、タイヤが想定外の外的損傷を受けることがあり、それにより、オペレーションが停止しダウンタイムが発生してしまう。この損傷によりタイヤの寿命が短縮されるという課題もある。これらの問題に対して、リアルタイムでブリヂストンのタイヤ、コマツの車両データを融合することで、早期に故障の原因を特定して適切な応急処置や再発防止策を講じ、タイヤ寿命を延ばすことを目指す。
また、燃費を大きく左右する3要素の組み合わせとして、鉱山現場の特徴(傾斜度、路面状況)、車両の使用状況(走行ルート、走行速度、積載量)、タイヤの仕様(パターンや材料など)や使用方法、が分かっている。得られたデータを解析することで、これらの要素の組み合わせ方をどうすれば燃費を抑制できるのかを明示し、顧客にとって大きなコスト負担となる燃料費の削減に寄与する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
タイヤ打音からAIで空気圧を判定する技術を開発、実証試験を開始
横浜ゴムは、AIを使ってトラック・バス用タイヤの打音から空気圧の状態を評価する技術を開発し、実証試験を開始した。ドライバーの経験に頼らずAIを活用することで、物流業界の各種課題に対応する。認知機能の低下を運転から検出できるか、スズキが大分県で研究
スズキと大分大学、臼杵市医師会は、認知機能が低下した場合に現れる車両の操作や挙動の特徴を明らかにする共同研究を開始する。8.3Mピクセルの車載カメラを受注開始、高速道路などでの物体認識に最適
ティアフォーは、8.3Mピクセルの車載カメラ「C3カメラ」の受注を開始した。高速道路などでの速い走行を伴った物体認識に適する。細かい物体や遠方の物体、車線のマーキングなどの検出性能が向上した。ニデックモビリティが二輪車向け電動クラッチECUを開発
ニデックモビリティは二輪車でクラッチを操作せずにギアチェンジできる電動クラッチECUを開発した。二輪車のMT操作を自動化する「Y-AMT」、ヤマ発が「MT-09」で採用
ヤマハ発動機は自動変速機構「Y-AMT」を開発した。2024年内に発売予定の「MT-09 Y-AMT」に搭載する。ながら操作や指さし不足を検知、フォークリフト向けAI分析を開始
豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーと富士通はフォークリフトの安全運転を評価するサービス「運転動画AI解析」を開発した。