この記事は、2025年2月10日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
ここ最近、日本の製造業が大きな曲がり角に直面しているのだと強く実感させられる象徴的なビッグニュースが立て続けに出ているように感じます。本田技研工業と日産自動車による経営統合協議(とその破談)もそうですし、パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)がテレビ事業など低収益事業の見極めを進めるとした発表もそうです。
特に、パナソニックHDはテレビ事業などの将来的な売却可能性を否定していません。筆者自身は、正直言えば「やはりか……」という感想を抱きました。中国や韓国メーカーとの競争が激化しており、劣勢にある国内メーカーが事業の構造改革や開発/生産/販売体制の見直しを迫られていることは周知の事実です。その中で、やはりそうした決断も視野に入れなくてはならないんだな、と感じた次第です。
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