牧野フライス、ニデックとの直接協議は企業価値向上などの“理解”が前提か:製造マネジメントニュース
牧野フライス製作所は2025年3月期第3四半期の決算に関する説明会をオンラインで開催した。ニデックによるTOB開始予告についても触れた。
牧野フライス製作所は2025年1月31日、2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)第3四半期の決算に関する説明会をオンラインで開催した。
北米の航空機、国内の半導体製造装置向けは堅調
2025年3月期第3四半期の売り上げは前年同期比3.6%増の1687億9400万円、営業利益は同8.8%増の132億3200万円、受注は同6.2%増の1696億3500万円だった。特に第3四半期単独の受注は同18.9%増の609億7000万円となった。北米での航空機向け、日本国内およびアジアでの半導体製造装置関連向けの受注が堅調に推移した。
2025年3月期の通期の業績については、売上高は前期比0.2%減の2250億円、営業利益は同3.8%増の170億円で従来の予想を据え置いた。
アジアにおける第3四半期の受注に関しては、中国で新エネルギー車関連向けの引き合いが継続し、前年同期比並みとなった他、インドは自動車関連の部品加工向けを中心に前年同期を上回った。東南アジアではベトナムを中心とした金型向け、マレーシア、シンガポールは半導体製造装置関連向けの需要が堅調だった。
牧野フライス製作所 代表取締役専務 永野敏之氏は日本の受注状況について「自動車業界における設備投資が若干、期待より下だった。農機や医療などの領域でカバーしているが、なかなか想定通りには行っていない。ただ、大きな商談を抱えており、通期の受注目標は達成できると考えている」と語った。
ニデックが表明している牧野フライス製作所へのTOB(株式公開買い付け)については、永野氏は「われわれとしては、いろんな観点からの質問書を先方に送っている。回答を見て、企業価値の向上や株主利益の最大化などの点がよく分かれば、先方と話し合いもしていきたいと考えている。まだ、そこに至るまでにいろんな質問をすることになるかもしれない」とコメントした。
牧野フライス製作所は2025年1月28日に、ニデックに対して、グループ入りによって生まれるシナジーやTOB後の事業計画など約60項目の質問状を提出。ニデックは1月31日に回答を提出した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
牧野フライス製作所へのTOB、ニデック首脳陣は何を語ったか
ニデックは記者会見を開き、牧野フライス製作所へのTOB(株式公開買い付け)に関して説明した。本稿では、手法ではなくシナジーについて焦点を当てて紹介する。ニデックが牧野フライスの質問状に回答、「欧州製NCに変更の意図はない」
ニデックは、牧野フライス製作所からの質問状に回答した。牧野フライス製作所がニデックに質問状、TOBのシナジーの詳細など約60項目
牧野フライス製作所は、同社へのTOB(株式公開買い付け)を予告しているニデックに対して質問状を送付したことを発表した。2025年1月31日までの回答を求めている。ニデックはTOBを計画通り実施の姿勢、牧野フライス特別委員会の要請に回答
ニデックは、牧野フライス製作所がニデックによるTOBについて検討するために設置した特別委員会が送付した再要望書に関する回答を公開した。大型化する金型加工向け立形マシニング、ロングセラー機の次世代モデルも
牧野フライス製作所は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において、立形マシニングセンタ「V300」などの新機種を披露した。ニデックが牧野フライスにTOB実施へ、想定シナジーとは?
ニデックは工作機械メーカーの牧野フライス製作所に対して、株式の公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。