太陽電池でメンテナンスフリーの電子棚札などを紹介したフランスのVusionGroup:NRF 2025
VusionGroupは、流通小売業向けイベント「NRF 2025 Retail's Big Show」に出展し、同社が得意とする電子ペーパーを活用した電子棚札に関するさまざまなソリューションを披露した。
フランスのVusionGroup(ヴジョングループ)は、流通小売業向けイベント「NRF 2025 Retail's Big Show」(2025年1月12〜14日、米国ニューヨーク Jacob K. Javits Convention Center)に出展し、同社が得意とする電子ペーパーを活用した電子棚札に関するさまざまなソリューションを披露した。
電子棚札のさまざまなバリエーションを紹介
VusionGroupは、商品の値札をデジタル表示する電子棚札の大手企業で、米国の大手流通であるWalmart(ウォルマート)などに納入していることでも知られている。日本でも2023年4月に日本法人の設立を発表しており、本格展開を開始している。
電子棚札は、電子ペーパーや液晶を採用し、CMS(Contents Management System)により、一斉に価格の変更やキャンペーンの展開告知を行うことができ、店舗店員が直接値札の付け替えなどを行う手間を軽減する。また、AIカメラなどと組み合わせることで、リアルタイムで顧客の状況に応じて表示を変えることも可能だ。
VusionGroupでは通常の電子ペーパーによる電子棚札の他、フルカラーの電子棚札や大画面の電子棚札のバリエーションなどを用意。また、液晶ディスプレイで動画を流せるようにし、棚札のスペースでデジタルサイネージが展開できるような仕組みなども紹介した。
また、会場でも注目を集めていたのが、太陽電池を搭載した電子棚札用のレールだ。従来の電子棚札は、電池で駆動する場合が多く、電池切れが起きた場合は店員が1つ1つを交換する手間が大きな負担になっていた。そこでVusionGroupでは、電池交換が不要な通電可能なレールを展開してきたが、今回出展したのはさらにそれを進化させたものだ。店内の照明でも発電可能な太陽電池をレールの上部に設置し、その電力を活用して必要な場合は電子棚札の更新を行うという仕組みとなっている。これにより、電力配線などが難しい棚環境でも容易に電子棚札を導入可能となり、店舗業務の大幅な効率化が実現できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電子棚札大手からリテールIoTソリューションベンダーへ――VusionGroupの戦略
フランスの電子棚札大手であるVusionGroup(ヴジョングループ)。同社は2024年1月にSES-imagotagから社名を変更したがその狙いは何か。日本を含めた欧州域外への事業展開なども含めて、VusionGroup APAC エグゼクティブバイスプレジデントのパスカル・ジェルベール・ガイヤール氏に話を聞いた。 - フランス電子棚札大手が日本市場に熱視線、コンビニ向けソリューション開発も
電子棚札大手のエスイーエス・イマゴタグ(SES-imagotag)は、日本法人の設立を発表するとともに、日本国内を中核としたアジア太平洋地域における事業展開を本格的に開始する方針を打ち出した。 - 電池レス薄型IoTタグは「商品棚上の欠品位置」も可視化する
サトーは「リテールテックJAPAN 2022」(2022年3月1〜4日、東京ビッグサイト)で、電池レスのIoT(モノのインターネット)センシングデバイスである「Wiliot IoT ピクセル(以下、IoT ピクセル)」を使った小売店舗での活用例を展示している。電波吸収材と組み合わせて商品棚の欠品率を計測するデバイスなどを紹介中だ。 - 店舗スマート化を進めるトライアル、小売業専用のAIカメラを独自開発
福岡県を中心に大型スーパーマーケットを展開するトライアルホールディングスが、子会社のRetail AIが独自に開発した「リテールAIカメラ」を披露。併せて、トライアルのフラグシップ店舗である「メガセンタートライアル新宮店」(福岡県新宮町)にリテールAIカメラを1500台導入してスマートストア化すると発表した。 - その業務はなぜ大変? 実際に働いて開発した業務改善ソリューション
Preferred Networksはスーパーマーケットなどチェーンストア向けの業務改善ソリューション「MiseMise(ミセミセ)」を開発し、提供を開始した。 - Bluetooth SIGが電子棚札向け無線通信プロトコルを統一へ
Bluetooth Special Interest Groupは、電子棚札向けのBluetooth規格を発表した。Bluetoothをベースとし、拡張性があり、超低消費電力で安全性の高い規格となる。