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フランス電子棚札大手が日本市場に熱視線、コンビニ向けソリューション開発もスマートリテール(1/2 ページ)

電子棚札大手のエスイーエス・イマゴタグ(SES-imagotag)は、日本法人の設立を発表するとともに、日本国内を中核としたアジア太平洋地域における事業展開を本格的に開始する方針を打ち出した。

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 エスイーエス・イマゴタグ(SES-imagotag)は2023年4月6日、東京都内で会見を開き、日本法人の「エスイーエス・イマゴタグ・ジャパン株式会社」の設立を発表するとともに、日本国内を中核としたアジア太平洋地域における事業展開を本格的に開始する方針を打ち出した。

エスイーエス・イマゴタグのティエリー・ガドゥ氏(左)とパスカル・ジェルベール・ガイヤール氏(右)
エスイーエス・イマゴタグのティエリー・ガドゥ氏(左)とパスカル・ジェルベール・ガイヤール氏(右)[クリックで拡大]

 エスイーエス・イマゴタグはフランスに本社を置く電子棚札(ESL:Electronic Shelf Label)の大手企業だ。電子棚札に表示する情報を管理するIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「VUSION」の他、近年買収した小型カメラデバイスとAI(人工知能)技術で商品棚の情報を分析する「captana」、カラー電子ペーパーを使って価格情報に加えて店舗内での広告展開も可能にする「engage」、これらIoTデバイスや店舗のデータを基に分析を行うデータアナリティクスプラットフォーム「memory」なども手掛けている。

エスイーエス・イマゴタグのソリューション
エスイーエス・イマゴタグのソリューション。電子棚札を中心に小売り店舗のデジタル化を支援する[クリックで拡大] 出所:エスイーエス・イマゴタグ

 会見に合わせて来日した同社 会長兼CEOのティエリー・ガドゥ(Thierry Gadou)氏は「当社の売上高は8億ユーロ以上で、小売り店舗向けIoTとデジタルソリューションのグローバルリーダーだ。欧州を中心に北米でも事業を拡大しており、350以上の小売り事業者が展開する3万5000の店舗で当社のソリューションが利用されている」と語る。2022年3月には、世界トップの小売り業者であるウォルマート(Walmart)との間で、電子棚札やカメラ、センサーなどを統合した次世代デジタルシェルフシステムの開発に向けた戦略的提携を発表している。

エスイーエス・イマゴタグの顧客
エスイーエス・イマゴタグの顧客。350の以上の小売り事業者が展開する3万5000の店舗にソリューションが導入されている[クリックで拡大] 出所:エスイーエス・イマゴタグ

 日本市場でも、日本法人設立に先駆けて、家電量販店大手のノジマの全店舗の電子棚札を導入しており、イオン九州傘下のマックスバリューなどでも導入実績がある。今回、新設の日本法人を含めたアジア太平洋地域担当のエグゼクティブバイスプレジデントとして、日本やアジア地域の小売り分野でのビジネス経験が豊富なパスカル・ジェルベール・ガイヤール(Pascal Gerbert-Gaillard)氏が就任した。ジェルベール・ガイヤール氏は「無線アクセスポイントのプロバイダーや、VUSIONのクラウドパートナーであるマイクロソフトといったグローバルパートナーとの協力関係を日本国内でも展開するとともに、日本のSIerとも連携しながら事業を拡大し、人材の獲得も進めたい。エスイーエス・イマゴタグでは2027年の売上高目標で22億ユーロという野心的な中期経営計画を発表しているが、アジア太平洋地域の売上高目標2億ユーロのうち、かなりの割合を日本市場が占めると想定している。それほどに日本市場を重視しているということだ」と強調する。

エスイーエス・イマゴタグのアジア太平洋地域での採用実績
エスイーエス・イマゴタグのアジア太平洋地域での採用実績。今後は日本市場を中心に大幅な拡大を目指す[クリックで拡大] 出所:エスイーエス・イマゴタグ

 ガドゥ氏も「日本市場で意識しているのは、現時点で当社のソリューションが導入されている3万5000店舗を上回る規模の店舗数があるコンビニエンスストアだ。このコンビニエンスストアに最適な実店舗をデジタル化するソリューションを提供できるようにしたい」と意気込む。

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