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半導体製造で培った技術を“サメ肌”で生かす、ニコンのリブレット加工技術CES 2025

ニコンは、最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」に出展し、半導体製造装置などで培った微細加工技術で実現した「リブレット」技術をアピールした。

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 ニコンは、最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」(2025年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)に出展し、半導体製造装置などで培った微細加工技術で実現した「リブレット」技術をアピールした。

“サメ肌”をモチーフとしたリブレット構造を提案

 ニコンでは独自のレーザー加工技術を活用し、サメの肌をモチーフにした人工的な微細構造であるリブレットをさまざまな製品の部材表面に付与する技術の開発を推進している。

 サメはその肌の構造により、水の抵抗を抑えた形で効率的に泳ぐことができる。リブレット構造はその仕組みを活用し、物体表面に微細な溝構造を備えることで、流体による抵抗の影響を抑えられるというものだ。表面にリブレット構造を構築することで、よりエネルギー効率を高められる。ニコンのリブレット加工技術は、風力発電や航空機などにおいて実用化に向けた検証が行われており、今後さまざまな分野への貢献が期待される。「主に流体の影響を受けるような部分で関心を得られている。空気の影響を受ける航空機や、風力発電のタービンなどにリブレット構造を付与し、それぞれの空気抵抗を低減し、燃費や電費を高めるようなことで期待されている」(ブース担当者)。

 ニコンでは、このリブレット構造の最適な設計や製造支援を行い、事業領域の開拓に取り組んでいる。CES 2025では、リブレット構造を付与したフィルムなどの他、リブレット構造を量産できる金型などを紹介した。「どういう製品でどういう部分で使用するかによって、最適なリブレット構造は異なるため、設計としてこれらを支援し、さらに製造も行う。使う場所によって表面を直接加工する形、加工したフィルムを張り付ける形など、最適な提供方法は変わってくる。今回は新たに金型を加工し、それをプレスすることで基板にリブレット構造を構築できる仕組みを紹介した」(ブース担当者)としている。

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中央がリブレット構造を量産できる金型。右側がその構造をプレスした基板となる[クリックで拡大]

 既にいくつもの調査結果で燃費が向上することが見えてきている航空機業界が最も期待する分野で「米国でFAA(Federal Aviation Administration)の認証を取ることなども視野に入れている」(ブース担当者)としている。

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航空機や風力タービンなどで導入を期待しているという[クリックで拡大]

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(取材協力:パナソニック コネクト)

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