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地球の自転を検出可能な精度の6軸IMU Add-onボードを発表:組み込み開発ニュース
ソニーセミコンダクタソリューションズは、マイコンボードSPRESENSE向けのマルチIMU Add-onボードの販売を2025年2月28日より開始する。3軸加速度センサーと3軸ジャイロスコープの6軸IMUボードで、マルチIMU合成技術を搭載する。
ソニーセミコンダクタソリューションズは2024年12月26日、マイコンボードSPRESENSE向けのマルチIMU(慣性計測装置) Add-onボードを発表した。2025年2月28日より販売を開始し、価格は4万3780円(税込)。製品予約などに関する情報は公式SNSで発信する。
同製品は、3軸加速度センサーと3軸ジャイロスコープから成る6軸IMUボードで、ソニー独自のマルチIMU合成技術を搭載する。16個の民生MEMS IMUをリアルタイム合成して、工業用FOG(光ファイバージャイロスコープ)に匹敵するバイアス安定性0.39deg/h以下を達成した。
また、1.0mdps/√Hz以下という低ノイズ密度で、地球の自転が計測できる。最大2枚のボードをスタック可能で、合計32個のIMUの出力を合成して精度を高められる。
製品の用途は、屋内ナビゲーションや自動搬送機、ドローン、モーションキャプチャー、小型衛星の姿勢制御などを想定。低バイアス変動により長時間の使用でも安定した姿勢値が得られ、低ノイズ密度で素早い動きを正確に捉えられる。また、複数IMU構成により、過酷な環境下での高い信頼性と耐環境性を有する。
サイズは50.0×20.6×9.1mmで重量は9g、出力インタフェースはSPIに対応し、キャリブレーション済みの状態で出荷する。
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