産学の垣根を超えた先駆的材料研究用大規模データプラットフォームを開発:マテリアルズインフォマティクス
東京大学は、先駆的材料研究用大規模データプラットフォーム「ARIM−mdx Data System」を開発した。2023年8月に運用を開始し、産学140以上の機関や企業から900人以上の研究者が利用している。
東京大学は2024年12月13日、先駆的材料研究用大規模データプラットフォーム「ARIM−mdx Data System」を開発したと発表した。2023年8月に運用を開始し、産学140以上の機関や企業から900人以上の研究者が利用している。
同システムは、東京大学大学院、東京大学情報基盤センター、日本原子力研究開発機構、広島大学、理化学研究所、統計数理研究所が共同で開発。文部科学省のプロジェクト「マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM Japan)」の一環として整備された「データ活用社会創成プラットフォーム mdx」上に構築した。高性能な計算機と大容量のストレージを備え、全国の大型実験施設やスーパーコンピュータから研究データを集約して一元管理する。
実験装置から同システムへのアップロード作業は、IoT(モノのインターネット)デバイスで自動化した。学術ネットワーク「SINET6」を介して接続することで超高速のデータ転送が可能になり、実験中のデータを即時解析できる。大学や企業など、組織の垣根を超えた共通のプラットフォームとして、世界中のどこからでもフルリモートでのデータ活用に対応する。
研究データはこれまで、個々の実験施設やスーパーコンピュータ、研究者個人のPCに分散して保存され、データ管理のコストが課題となっていた。同システムの運用により、AI(人工知能)やML(機械学習)を活用した材料探索など、材料研究のデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進が期待される。
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