エッジAIセンシング技術を搭載した顔認証ソリューションを共同開発:人工知能ニュース
NECとソニーセミコンダクタソリューションズは、顔認証ソリューションを共同開発すると発表した。両社の最先端技術を組み合わせて、幅広いシーンに最適化できプライバシーに配慮したソリューションの開発を目指す。
NECとソニーセミコンダクタソリューションズは2024年11月26日、顔認証ソリューションを共同開発するための戦略的協業を開始すると発表した。工場やオフィス、物流などの領域における入退管理やセキュリティ用途を想定し、2025年度中の販売を目標に開発を進める。
両社が新たに開発するのは、簡単に導入でき、安心して運用できる安全な顔認証ソリューションだ。NECの顔認証技術とソニーセミコンダクタソリューションズのイメージセンサーによるエッジAI(人工知能)センシング技術を組み合わせて、さまざまなシーンに最適化でき、プライバシーに配慮した顔認証ソリューションを共同開発する。
同ソリューションでは、エッジAIセンシング技術を搭載したAIカメラとNECが開発したAIモデルを連携させる。同AIモデルは光環境の変化に強く、シーンに応じて画質をリアルタイムに最適化して顔の特徴量を抽出し、逆光などの環境下においても高い精度を維持できる。設置環境の影響を受けにくいため、カメラごとの設定調整や運用に関わる作業が少なくなり、コストを抑えられる。
顔認証は、AIカメラが抽出した顔の特徴情報をクラウドに送信し、NECの生体認証ソリューション「Bio-IDiom Services(バイオイディオムサービシーズ)」を組み合わせて実行する。AIカメラはなりすまし対策機能も搭載しており、高度なプライバシー保護やセキュリティが求められる用途にも活用できる。
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