積水樹脂が創立70周年を迎え滋賀県の性能確認試験走路をリニューアル:材料技術
積水樹脂は、2024〜2054年の30年間を支える研究基盤として滋賀工場 竜王製造所内にある性能確認試験走路「道夢道」をリニューアルする。
積水樹脂は2024年11月29日、東京都内で創立70周年プレス説明会を開催し、滋賀県竜王町に設置した性能確認試験走路「道夢道」をリニューアルすると発表した。
自動運転を行う自動車などの走行試験を実施するエリアも
積水樹脂 代表取締役社長 兼 CEOの馬場浩志氏は、「当社は1954年11月26日にアドヘヤ紙工として創立し、祖業としてのり付き封筒のアドヘヤ封筒を製造販売していた。1970年に現在の社名である積水樹脂に商号を変更した。1993年には、滋賀工場 竜王製造所(滋賀県竜王町)内に性能確認試験走路として道夢道を開設した。道夢道は道路向け建設資材の性能を確認するためのさまざまな試験走路を備えた設備だ。当社は2024〜2054年の30年間を支える研究基盤として道夢道を『創来都(そらいと)』としてリニューアルする」と話す。道夢道から創来都へのリニューアル工事は2026年度に完了する見込みだ。
創来都のコンセプトは「しんかし続ける創来都」で、「しんか」にはアイデアの「深化」や都市空間の「進化」、人の「真価」というテーマが込められている。
創来都は、道路向け建設資材の試作検証からイベント展示まで対応できる施設で、ベーシックエリアやイノベーションエリア、試験検証エリア、生物多様性保護エリアで構成される。ベーシックエリアは道路向けの既存の建設資材を展示する。
新製品とそのプロトタイプの開発や展示に使用するイノベーションエリアは、駅前広場や歩行者空間、建築外構を再現したゾーンで、イノベーションテラス、イノベーションブリッジ、イノベーションデッキ、イノベーションロード、イノベーションセンターから成る。イノベーションテラスは積水樹脂が開発した道路向け建設資材を紹介するスペースで、イノベーションブリッジはペデストリアンデッキなど向けの新製品を展示するゾーンだ。
イノベーションデッキは新製品の試験や展示を行うエリアでユーザーとの意見交換も実施できるようにする。イノベーションロードは自動運転を行う自動車などの走行試験を実施するエリアだ。用途が未定のイノベーションセンターは将来建設が予定されている施設で、着工前は太陽光発電システムを設置しその電力を各施設で用いる。
試験検証エリアは、耐久試験や暴露試験、引き抜き試験など、道路向け建設資材の一般的な試験が行える。
生物多様性保護エリアは、道夢道を創来都に改修するに当たって、リニューアルせず残るスペースだ。このエリアは古琵琶湖層群に由来する貧栄養湿地が現存する場所で、準絶滅危惧種のムラサキミミカキグサやサギソウ、イシモチソウといった植物が生育していることに加えて、絶滅危惧種のヤマトサンショウウオや要注目種のシュレーゲルアオガエル、ハッチョウトンボが生息している。これらの生物や生態系に影響を与えないため、リニューアルを行わない。
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