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ビール用PETボトルのキャップで水平リサイクルの実証実験を実施リサイクルニュース

日本山村硝子とキリンビールは、日本山村硝子が開発したキャップの外装部にリサイクル樹脂を10%混合した2ピースキャップを、キリンビールの会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」で提供する生ビール「一番搾りプレミアム」の1リットルPETボトルのキャップに期間限定で導入する。

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 日本山村硝子とキリンビールは2024年11月29日、実証実験として日本山村硝子が開発したキャップの外装部にリサイクル樹脂を10%混合した2ピースキャップを、キリンビールの会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ(以下、ホームタップ)」で提供する生ビール「一番搾りプレミアム」の1リットル(l)PETボトルのキャップに期間限定で導入すると発表した。

 キャップには、1ピースキャップと2ピースキャップがあり、1ピースキャップは一体成型で構成されており、2ピースキャップはボトル天面と接触する内装部(食品接触)と外装部(食品非接触)から構成される。

約4万個のキャップを使用

 今回の実証実験は2024年12月中旬に開始する。同実験は、酒類飲料のPETボトルに使用するキャップから同一キャップへの水平リサイクルの実用化を行う。ナレッジワイヤの調査によれば、この取り組みは日本で初めてだ。

 具体的には、実証実験で使用するキャップは、ホームタップを製造する工程で発生した廃棄キャップをメカニカルリサイクルし、内装部と外装部の2つに分かれている2ピースキャップの外装部にリサイクル素材を10%混合したものだ。

実証実験で利用する「ホームタップ」
実証実験で利用する「ホームタップ」[クリックで拡大] 出所:日本山村硝子

 内容物に直接接触しない外装部のみにリサイクル素材を混合することで、キャップへのメカニカルリサイクル素材の使用を可能とした。実証実験では、約4万個のキャップを使用する。実証実験で採用するキャップは1個当たり、温室効果ガス(GHG)の排出量を約1.7g削減できる見込みだ。

実証実験で利用するキャップの構造
実証実験で利用するキャップの構造[クリックで拡大] 出所:日本山村硝子

実証実験の背景

 これまでPETボトル用キャップの水平リサイクルが国内で進展しなかった一因としては、キャップで使用される樹脂を、食品と接する箇所に使う樹脂として再生するための技術的なハードルが高いことが挙げられていた。

 そのため、今回の実証実験では、食品非接触のキャップ外装部にリサイクル樹脂を活用することとした。また、新たなGHGをできるだけ発生させない回収スキームやリサイクル技術の確立を目指している。

 日本山村硝子は、今回の実証実験の効果検証を踏まえて、今後同社が製造する清涼飲料向け2ピースキャップに回収スキーム、リサイクル技術を展開、発展させることを目指す。

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