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「Autodesk Fusion」が目指すものメカ設計インタビュー(2/2 ページ)

3D CAD/CAM/CAE/PCBのクラウド型統合ソリューションとしてではなく、“製造向けインダストリークラウド”として目にする機会が増えた「Autodesk Fusion」の立ち位置や優位性などについて、あらためて米Autodeskの担当者に話を聞いた。

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将来イノベーションを見いだす先見の明 モバイルもクラウドもAIも先行

――競合他社も同様にプラットフォーム戦略を強化していますが、オートデスクの優位性はどこにありますか?

バラムクンダン氏 最大の優位性はプラットフォームが使いやすく、非常にモダンであることだ。今から10年以上前にFusionを世に送り出した際、大原則として掲げていたのが“次世代ユーザーがすぐにこのテクノロジーを使いこなせるようになること”だ。Fusionはすぐに理解でき、すぐに生産性を上げて仕事ができる。

 実際、3D CAD教育の場面でFusionを導入する企業が多いのも、こうした取り組みがあるからだ。例えば、富士フイルムエンジニアリングでは全社の3D設計化を進めており、その一環としてFusionを用いた新人教育に取り組んでいる(関連リンク)。

米Autodesk 戦略パートナーシップ担当バイスプレジデントのケン・フー氏
米Autodesk 戦略パートナーシップ担当バイスプレジデントのケン・フー氏

フー氏 また、オートデスクには将来のイノベーションに対する先見の明がある。デスクトップからモバイルへの移行、そしてクラウド化を先行したのもわれわれだと自負している。ジェネレーティブデザインもジェネレーティブAI(生成AI)という言葉が出てくる何年も前に世に送り出している。

 このようなAIに対する投資や研究開発もかなり前から積極的に行っている。ジェネレーティブデザイン以外にもAIのテクノロジーが、われわれが提供するソリューション、プラットフォームの中に組み込まれており、実際に使われ始めている。まだプラットフォーム上にAI機能が十分に整っていない競合他社もある中、オートデスクはこのようなペースで新たなイノベーションを見いだし、市場の状況を見ながらいち早くユーザーに提供している。

 将来のイノベーションを見いだす上では、顧客課題をリサーチするチーム、次世代技術を調査するテクノロジーセンター、マクロな視点で経済や国際環境を分析するチームなどの協力が欠かせない。オートデスクではこうした体制の下、競争力のあるテクノロジーを世に送り出している。

AU 2024で発表されたAIを活用したFusionの機能アップデートの1つ「図面の自動化機能」。3Dモデルから2D図面を自動生成できる
AU 2024で発表されたAIを活用したFusionの機能アップデートの1つ「図面の自動化機能」。3Dモデルから2D図面を自動生成できる[クリックで拡大] 出所:オートデスク

――AU 2024では、Fusionに関するAIを活用した機能アップデートなどもいくつか発表されましたが、あらためて日本市場に対する期待や展望について教えてください。

フー氏 日本市場には非常に大きな機会があると期待している。先ほど3つの課題として、リソースが足りないこと、市場からの要求がより一層厳しくなっていること、競争が激化していることを挙げたが、今以上に、より少ないリソースで、より多くのものを達成しなければならない状況にある。特に日本はその傾向が強い。オートデスクであれば、日本の製造業が直面する課題の解決に役立つ完璧なソリューションを提供できる。Fusionはその代表的なものといえるが、このようなソリューション、テクノロジーを日本の皆さまに提供できることをとてもうれしく思う。

バラムクンダン氏 われわれは、この数年間でFusionが製造業に大きな革新をもたらしたと自負している。製造業が盛んな日本においても同様であり、今後のさらなる拡大に期待している。また、コンシューマー製品の開発という観点からも日本市場のポテンシャルを感じている。困難な課題に直面する中、いかにより良い製品を、短期間のうちに世に送り出すか。Fusionはその成功のカギになるはずだ。そして、今後はよりスマートな製品開発が求められる。そのとき、オートデスクのソリューションが大きな成果をもたらしてくれるだろう。

左から米Autodeskのフー氏、バラムクンダン氏
左から米Autodeskのフー氏、バラムクンダン氏

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