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半導体エンジニアの不足は3万人に、複雑化する開発に対応するには組み込み開発ニュース(2/2 ページ)

エンジニアリングサービスを手掛けるクエストグローバルの日本法人であるクエストグローバル・ジャパンは半導体回路の開発設計支援サービスについて説明会を開いた。

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エンジニア不足にどう対応するか

 クエストグローバル・ジャパンは、グローバルな人材マーケットから、ニーズに合ったスキルのエンジニアリング体制を日本の取引先に供給するとしている。ニーズに合わせたアウトソーシングで、人材派遣から請負、ターンキープロジェクト、ASIC開発、共同開発プロジェクトまで、より管理しやすく完結度の高いサービスを提供する。

 クエストグローバル全体では北米や欧州、アジアでハイスキル人材を積極的に採用している。賃金が比較的安いベトナムやインドなどで人材を確保するだけでなく、北米を中心にコストをかけてスキルのある人材を採用する。バングラデシュなど、次にエンジニアが増えることが期待できるエリアの開拓も進めている。開発期間への貢献だけでなく、課題解決に資する開発手法や開発しやすさなども提案する。

 海外とのコミュニケーションに関しては、グローバルな応対が可能なエンジニアを採用するとともに、客先常駐から日本国内のオンサイトチーム、海外のオフショアチームが連携する「ローカルグローバルモデル」により、開発をサポートするとしている。また、IPやEDAツールのベンダーとの強いコミュニケーションチャネルを持つことも武器だという。

 エンジニアの人数が求められる場面では、アジアを中心にローコストで確保/育成した優秀な人材を提供するとともに、取引先の設計フローに合わせたセンターオブエクセレンス(CoE、機能センター)による効率化を推進する。


クエストグローバル・ジャパンの貫名聡氏[クリックで拡大]

 クエストグローバル・ジャパン 社長の貫名聡氏は日本のエンジニアの役割について次のようにコメントした。

 「日本のエンジニアはミッションが変わっていく。インドやベトナムではエンジニアになることが憧れであり、ハングリー精神もある。数をまかなうのはそうした地域のエンジニアだ。日本のエンジニアはそうじゃないところをやっていく必要があり、より難しいことも求められる。クロスボーダーでリソースを活用しながらエンジニアリングをうまく運営していく役割が日本のエンジニアのミッションではないかと提案している」(貫名氏)

 また、エンジニアに求められる資質については「英語ができるだけでは十分ではない。気質の違う国の人とのコミュニケーションや、オンサイトチームとオフショアチームの間に立つファシリテーション能力に加えて、技術への理解も当然必要だ。ブリッジエンジニアが増えれば、客先常駐から日本国内のオンサイトチーム、海外のオフショアチームが連携するローカルグローバルモデルの拠点がより多く持てることになるので、人材の育成と確保がカギを握る」(貫名氏)と述べた。

クエストグローバルとは

 クエストグローバルは1997年に創業し、従業員数は18カ国に2万人だ。本社はシンガポールで、77カ所にグローバルデリバリーセンターがある。現地法人に権限が委譲されており、グローバル本社の回答を待たずに動くことができるのが強みだという。半導体の他、自動車や鉄道、通信、エネルギー、航空宇宙/防衛、医療機器、ハイテクなど幅広い領域のエンジニアを抱える。自動車で2748人、半導体で2385人のエンジニアが働く。

 日本法人は事業を20年展開しており、現在は450人以上のエンジニアがいる。ローカルグローバルモデルにより総勢2300人以上のエンジニアが日本の取引先向けの開発に従事している。人材派遣や準委任請負開発といった一般的なエンジニアリングサービスだけでなく、海外のオフショアチームと日本のオンサイトチームや客先常駐のエンジニアが協働する高度な開発までカバーする。日本では顧客の80%以上と10年を超える取引を継続しているという。

 人材育成にも力を入れており、技術的なトレーニングを行うテクニカルアカデミー、大学生向けのモノづくりコンテストや大学生の採用、海外のオフショアチームと日本の開発チームの間に立つブリッジエンジニア向けの語学教育、エンジニア向けコーチングなども行っている。

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