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エアレスタイヤを地域の移動手段に、ブリヂストンが自治体にアピール材料技術(2/2 ページ)

ブリヂストンは自治体向けのエアレスタイヤ試乗会を実施した。

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10年10万kmの耐久性が目標

 ブリヂストンでのエアレスタイヤの開発は2008年にスタートした。当初は1人乗りの超低速モビリティ向けを想定したコンセプトだったが、2013年に発表した第2世代品で乗り心地を向上させるとともに、対応できる車重や速度域を改善した。また、超小型EV(電気自動車)を手掛ける出光興産と協力して、実際に車両に装着して私有地での移動に用いるなど実証試験も始めた。


ブリヂストン ソリューション開発第2部長の岩淵芳典氏

 2023年には第3世代品を発表。対応できる車重を1000kg程度に、速度域は時速60kmに引き上げた。これにより、2〜4人乗りの超小型EVにも適用できるようになり、2026年中の社会実装を目指して実証を重ねる。公道実証によって、市街地だけでなく郊外や山間部、不整地などさまざまな環境で特性や性能を作り込む。

 現在は、東京都小平市にあるブリヂストンイノベーションパークの周辺を走らせているという。また、グリーンスローモビリティでの装着を進めることで、実際の運用での提供価値を検証する。

 AirFreeはパンクせず空気充填が不要であるだけでなく、サステナビリティにも配慮した。AirFreeはゴムと熱可塑性樹脂のみで構成されており、トレッドゴムはリトレッドでき、熱可塑性樹脂は破砕してペレットの原料にすれば再利用できる。リサイクルが可能なだけでなく、耐久性や乗り心地も向上させた。

 熱可塑性樹脂の部分は、3D CADによって最適な形状と素材を生かした接地とひずみの最適化を実現した。現在は10年10万kmの耐久性の達成を目指している。今後はAirFreeに使用した熱可塑性樹脂をAirFreeで再利用する水平リサイクルの実現も目指す。

歴代のエアレスタイヤ。写真左から順に進化し、一番右が最新の第3世代品だ[クリックで拡大]
青い熱可塑性樹脂の部分はリサイクルを念頭に置いた(左)。タイヤとしての機能を果たすため、形状を最適化した(右)[クリックで拡大]
過去のエアレスタイヤの形状[クリックで拡大]

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