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電子レンジで加熱でき開封後に食器となるパウチを開発材料技術

DNP電子レンジで加熱調理でき開封後にそのまま食器として使えるパウチ「アンタッチスルー 喫食タイプ」を開発した。

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 大日本印刷(DNP)は2024年10月16日、電子レンジで加熱調理でき開封後にそのまま食器として使えるパウチ「アンタッチスルー 喫食タイプ」を開発したと発表した。

 このパウチは、加熱時に発生する水蒸気を自動的に逃がす機能によって、電子レンジでそのまま加熱調理できるパウチ「DNP電子レンジ包材 アンタッチスルー」シリーズのピロータイプで、本体の一部に紙を使用することで、食器として使えるようにしている。

 今後、DNPは、冷凍食品/チルド食品、電子レンジ対応食品などを製造/販売する企業にアンタッチスルー 喫食タイプを提供していく。

開発の背景

 国内では近年、単身世帯や共働き世帯の増加などによる食生活の多様化が進み、より簡便に短時間で調理を済ませたいというニーズも高まる中、冷凍食品/チルド食品の市場が拡大している。また、世界的に求められる持続可能な社会の実現に向けて、食品用のパッケージについても、プラスチックの使用量の削減が課題となっている。

 そこでDNPは今回、パッケージの一部に紙を使用しながらも、剛性(変形しない性質)を持たせることで喫食食器として使用可能なアンタッチスルー 喫食タイプを開発した。

アンタッチスルー 喫食タイプの特徴

 アンタッチスルー 喫食タイプは、材料の一部に紙を使用しながら、パッケージに必要な剛性(変形しない性質)を持たせた製品だ。パッケージで自立を可能とする設計を採用することで、電子レンジで加熱調理した後、開封してそのまま喫食用の器として使えるようにしている。これにより、冷凍食品/チルド食品のパッケージ内で使用するプラスチックのトレーやカップを削減できる。

「アンタッチスルー 喫食タイプ」
「アンタッチスルー 喫食タイプ」[クリックで拡大] 出所:DNP

 さらに、パッケージ内にプラスチックのトレーを同梱して販売する冷凍/チルド食品と異なり、食器への移し替えや食器洗いが不要になる。容器として利用後、トレーやカップよりもかさばることなく廃棄可能。

 パッケージの耐熱性を高める工夫も施しており、内容物を直接いれることができるため、トップシール包装を採用した冷凍食品やチルド食品のパッケージをアンタッチスルー 喫食タイプに置き換えることで、プラスチックの使用量を約74%削減できる(同社調べ)。アンタッチスルーの表面に使用する紙に耐水性に優れたインキで印刷することにより、結露などによる文字や絵柄の欠け/消失などのリスク軽減も図れる。

 なお、アンタッチスルー 喫食タイプは、紙製容器包装であることを識別する「紙マーク」を付与できる。紙マークは、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」に基づくリサイクルが円滑に行われるよう、生活者が容易に分別できることを目的としている。紙マークを付与したパッケージは紙製容器包装に分類される、産業廃棄物が削減できるというメリットもある。

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