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人型ロボと近接覚センサーでキッティング作業自動化、名刺をつかみねじを入れるJapan Robot Week 2024

Thinkerは「Japan Robot Week 2024」において、近接覚センサーを備えたインテリジェントフィンガーを持つ「Think Hand F」と、カワダロボティクスの人型ロボット「NEXTAGE」を組み合わせ、キッティング作業を自動化するデモンストレーションを披露した。

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 国内で少子高齢化が進む中、人が行っているさまざまな作業の自動化が求められている。左右の5本の指と視覚や触覚を駆使して行う人の作業を置き換えるのは容易ではない。そんな中、Thinkerは「Japan Robot Week 2024」(2024年9月18〜20日、東京ビッグサイト)において、近接覚センサーを備えたインテリジェントフィンガーを持つ「Think Hand F」と、カワダロボティクスの人型ロボット「NEXTAGE」を組み合わせ、キッティング作業を自動化するデモンストレーションを披露した。

赤外線モジュールとエッジAIで安定測定

会場で披露したデモンストレーション[クリックで再生]

 Thinkerは同社の取締役で大阪大学大学院 基礎工学研究科 助教の小山佳祐氏が開発した近接覚センサーおよび同製品を活用したソリューション提案を行っている。

 この近接覚センサーは、4つの赤外線モジュールで対象物との距離と角度に応じた反射光量を測定。独自開発の軽量AI(人工知能)モデルによって素材ごとに異なる反射光量の影響を吸収し、距離と角度に変換してロボット自体でハンド部分の微調整を行う。

 近接覚センサーを用いることで従来のセンサーを用いた手法では苦手だった透明物や鏡面物、不定形物、ばら積みなどのピッキングが可能になるほか、ロボットのティーチングや段取替えの手間を大幅に低減する。


なぞって、まさぐる動作が可能になるThink Hand F[クリックで拡大]

 また、近接覚センサーと柔軟機構平板、フィンガーで構成されるインテリジェントフィンガーを搭載したThink Hand Fは、対象物の形状に応じて自在に対応できるソフトタッチ制御を実現し、なぞって、まさぐり、つかみにいく動作を可能にする。

 一方、NEXTAGEは画像認識機能を持つビジョンシステムや2本の腕、15の関節軸数により、組み立てや梱包などの幅広い業務を担うことができるロボットだ。80W以下の低出力モーターで構成されているため、適切なリスクアセスメントを行えば安全柵を設置せずに、人と協働することができる。

 会場ではNEXTAGEの片方の腕でエアーによる吸着によってビニール袋を開け、Think Hand Fを付けたもう片方の腕で、ばら積みされた部品を取り出して袋に入れる様子を披露した。


Think Hand Fを装着したNEXTAGE

 Think Hand Fの活用で期待されるのが、ロボット導入のハードルを下げることだ。製造現場で必要な部品や材料などをそろえるキッティキングの自動化は検討されてきたが、多品種の部品への対応が難しいうえ、システムが大型化してスペースが必要になっていた。

「これまでも箱入れや袋入れを行ってきたが、Think Hand Fならフィーダーなどを置く必要がない。スペースを取らず、ワークが変わっても容易に対応できるので汎用性が高い。ユーザーにとって魅力的だ」(カワダロボティクスの説明員)。

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