ビジネスケアラー支援の実態調査、「十分な支援制度がある」企業は11.5%:キャリアニュース
マイナビが「企業におけるビジネスケアラー支援 実態調査」の結果を発表した。仕事と介護を両立するビジネスケアラーの支援制度が「十分である」と回答した企業は11.5%にとどまった。
マイナビ ウエルネス推進事業本部は2024年9月27日、「企業におけるビジネスケアラー支援 実態調査」の結果を発表した。同調査は、民間企業で人事、労務業務に携わる20歳以上の人を対象としたもので、618人から有効回答を得た。ビジネスケアラーとは、仕事をしながら家族を介護する人を指す。
初めに、2025年4月に施行される「育児・介護休業法」の改正を知っているか尋ねたところ、91.4%が同法の改正を認知していた。しかし「法改正の内容を読み、おおむね理解していた」と回答したのは54.9%だった。
次に、改正される育児と介護に関する3項目について、自社の制度が整備されているかを尋ねた。その結果、「介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度強化」については、「本公布の前から制度化されていた」が26.5%、「本公布に対応し制度化された」が22.3%で、制度化されている企業が合わせて48.8%となった。
これを、別項目の「子の年齢に応じた柔軟な働き方の拡充」と比較すると、制度化されているという回答の合計は59.0%で、介護離職を防止するビジネスケアラー支援の取り組みに遅れが出ていることがうかがえる。
半数が、支援制度について「見直しが必要」「整備されていない」
ビジネスケアラーへの支援制度について、企業の対応状況を尋ねたところ、「既に支援制度があり、内容も十分である」は11.5%にとどまった。一方で「既に支援制度があるが、見直しが必要である」は24.4%、「支援制度は整備されておらず、早急に対策に取り組むべきだと思う」は25.6%となり、この2つで半数を占めた。
続いて「仕事と介護の両立支援」に関連する支援制度や取り組みの状況を調べた。「あてはまる」が最も多かった項目は「介護を行う社員の状況に合わせ、勤務時間の調整ができる(フレックス、時短勤務等)」(45.5%)だった。次いで「介護休暇、介護休業の取得の流れを社内に周知している」(41.9%)、「介護を行う社員の状況に合わせ、柔軟にテレワーク、リモートワークができる」(38.5%)となっている。
最後に、ビジネスケアラーへの支援や、介護への理解を促進する取り組みを導入する場合、何が検討のきっかけになるかを尋ねた。その結果、最多回答は「介護を行う社員が増えた場合に検討したい」(43.0%)で、次が「従業員からのニーズが高ければ検討したい」(35.8%)、「介護離職が増えた場合に検討したい」(31.9%)となった。国民の5人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」が差し迫る中、課題が顕在化してから取り組みの導入を考える企業が多いことが分かった。
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