電動ミニクローラクレーンにリチウムイオン電池を搭載、欧州で発売:電動化
古河ユニックがリチウムイオン電池を搭載したミニクローラクレーン「UM325C」を開発し、欧州で発売した。
古河機械金属は2024年10月4日、子会社の古河ユニックがリチウムイオン電池を搭載したミニクローラクレーン「UM325C」を開発し、欧州で発売したと発表した。従来のバッテリー式モデルと同様に、排ガスを出せない地下道や屋内の他、外部電源の取得が困難な場所に自走して移動し、クリーンなクレーン作業が可能になる。
リチウムイオン電池を採用したことで、新製品はAC200Vで3時間という高速充電も実現。充電時間は、現行ラインアップである密閉型のAGMバッテリー式モデルと比べて2時間短縮した。ミニクローラクレーンのラインアップは、鉛バッテリー式とAGMバッテリー式、リチウムイオン電池式の3種類となる。
走行時の車幅は一般的なドアを通過できる750mm。地下道や屋内など狭い場所に移動でき、ポップアップ式コラム(起立式コラムポスト)の採用によってコンパクトな格納形態と十分な地上揚程を実現した。最大吊上能力は3230kgだ。オプションの油圧チルト式ジブを装着することで、最大地上高17.7m、最大作業半径15.6mまでクレーン作業が可能になる。
走行とクレーン操作はラジコン送信機を用いた遠隔操作が可能で、アウトリガの張り出し状態やクレーンの作業姿勢に応じて定格荷重を自動で切り替え、作業者の安全を確保する。この他にも、確実な機体設置を実現するアウトリガ水平自動張出機能や、安定した走行を実現する拡幅クローラなどの機能を搭載した。また、従来のシリーズとは異なるアウトリガの採用により、アウトリガ設置/格納作業を簡易化するとともに、他のクレーンを使用せずにアウトリガで機体を持ち上げ、運搬用トラックの荷台に積載することも可能になった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 建機の脱炭素は電池駆動だけじゃない、燃料電池や有線電動に加え代替燃料も
「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2024)」において、カーボンニュートラルに対応する建設機械が多数展示された。大容量のリチウムイオン電池を搭載するフル電動建機だけでなく、燃料電池や有線電動、代替燃料などの提案も行われていた。 - ケータハムのスポーツクーペEV開発にヤマハ発動機が参加、eAxle供給
ヤマハ発動機はケータハムが進めるスポーツクーペタイプのEVの開発プロジェクト「プロジェクトV」に参加する。 - パンタグラフでEVバスに超急速充電、充電は10分で完了
川崎鶴見臨港バス、東芝、Drive Electro Technologyはパンタグラフ式の超急速充電の有効性を確認する実証事業に向けて共同検討を行う。 - 元日産の関氏が鴻海で考える、EVの苦境の乗り越え方
シャープは技術展示イベント「SHARP Tech-Day’24 “Innovation Showcase”」において、親会社である鴻海精密工業とともに推進するEV戦略を発表した。 - 鉄道車両用主電動機向けに銅ダイカスト回転子を製品化
日立インダストリアルプロダクツは、鉄道車両用主電動機向けに銅ダイカスト回転子を製品化した。既存の回転子と比べて軽量化している。同社発表によると、世界初だという。 - レトロフィットEVバスの運行を開始
国際興業は、既存のディーゼルバスのエンジン部分をEV化した「レトロフィットEVバス」の運行を開始した。容量280kWのリチウムイオンバッテリー、最大出力320kWの電動モーターを搭載している。 - EVの海上輸送における安全対策のノーテーションを取得
川崎汽船の自動車船「TEXAS HIGHWAY」が、日本海事協会から電気自動車の海上輸送における追加火災安全対策が講じられた船舶であることを表すノーテーションを取得した。