低侵襲設計の経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイスを発売:医療機器ニュース
オリンパスは、経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイス「イディアルシースPEGキット(イディアルボタンZERO)」を発売した。交換用に販売している低侵襲設計のカテーテル「イディアルボタンZERO」を胃ろう造設時にも留置可能になる。
オリンパスは2024年9月18日、経皮内視鏡的胃ろう造設術用デバイス「イディアルシースPEGキット(イディアルボタンZERO)」の国内発売を開始した。交換用に販売している低侵襲設計のカテーテル「イディアルボタンZERO」を胃ろう造設時にも留置可能になる。
経皮内視鏡的胃ろう造設術は、内視鏡を使って体外と胃をつなぐ小さな穴(胃ろう)をつくる手技だ。口から食事ができない、飲み込めない患者の胃に栄養を直接送ることを目的としている。
2023年6月に発売したイディアルボタンZEROは、カテーテル先端のバンパーをカプセルに収納する構造により、スムーズな挿入をサポートする。挿入後は、胃内にカプセルを脱落させてバンパーを展開し、カテーテルを留置する。カプセルは胃内で溶解する。
バンパーは、シリコンの膜と形状記憶ワイヤーのリングで形成している。留置時に、この形状記憶ワイヤーのリングが展開することで、意図しない抜去を防ぐ。交換時は、形状記憶ワイヤーを先に引き抜くことでシリコンの膜のみが残る。シリコンの膜は折りたたまれた状態で回収でき、患者の苦痛を軽減する。
胃ろう造設時は、体外と胃をつなぐトンネル状の空間を確保する管状のシースを介して、イディアルボタンZEROを留置する。シースで体外からカテーテルを胃の中に挿入し、腹壁と胃壁の隙間に空気が入ったり、胃壁が裂けるなどのリスクを軽減する。
同キットを用いることで、胃ろうの造設からカテーテル交換までを一貫して管理可能になる。また、シースを介したカテーテル留置で、安心、安全な手技を支援する。
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