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頭皮用エアゾールとマッサージによる気持ちよさの見える化に成功:医療技術ニュース
大正製薬は、頭皮用エアゾールスプレーの使用と頭皮マッサージによる気持ちよさを、唾液バイオマーカーにより可視化できることを発見した。気持ちよさと、オキシトシン増加およびコルチゾール減少が相関している。
大正製薬は2024年9月6日、頭皮用エアゾールスプレーの使用と頭皮マッサージによる気持ちよさを、唾液バイオマーカーにより可視化できることを発見したと発表した。気持ちよさと、オキシトシン増加およびコルチゾール減少が相関している。
ホルモンの1種であるオキシトシンは、心地よさを感じると分泌量が増加する。一方、コルチゾールは、ストレスを受けるほど分泌量が増加する。
今回の研究では、エアゾールスプレーの使用感を客観的に評価するために、エアゾールスプレー使用と頭皮マッサージによる頭皮刺激の前後で、唾液中のオキシトシンとコルチゾールの量を測定した。また、使用感についてはアンケート調査を実施し、唾液中オキシトシンおよびコルチゾールの濃度との相関を調べた。なお、エアゾールスプレーは、液噴射型タイプ、泡噴射型タイプ、頭皮直当てヘッド+液噴射タイプの3種を使用した。
その結果、エアゾールスプレーが気持ちよいと感じるほど、オキシトシンが増加した。
また、頭皮マッサージのみと比較して、頭皮が柔らかくなったと感じるほどオキシトシンが増加し、コルチゾールが減少することが明らかとなった。
一般的に、気持ちよさなどの使用感は官能評価により評価されている。しかし、人間が五感で感じる印象による評価は、曖昧さや個人差による判断の違いなど課題がある。
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