粘着テープ製造時に発生する剥離紙のリサイクルを実現:リサイクルニュース
ニチバンは、日本製紙とともに、粘着テープ製品の製造過程で発生する剥離紙のリサイクルを可能にする新たな取り組みを2024年9月に開始した。
ニチバンは2024年9月27日、日本製紙とともに、粘着テープ製品の製造過程で発生する剥離紙のリサイクルを可能にする新たな取り組みを同月に開始したと発表した。
独自の収集/運搬スキームを構築
剥離紙は粘着製品の製造工程や最終製品の粘着剤の保護に用いられている。剥離紙の基紙にはリサイクルが難しいポリエチレンラミネート紙が使われる場合がある他、また使用済みの剥離紙に残留する粘着剤が再生原料に混入することは好ましくないなどの理由から、古紙再生促進センターにおいて禁忌品とされている。
そのため、国内で製造される年間約11万トン(t)の剥離紙はそのほとんどが廃棄あるいは熱利用されている。
そこで、ニチバンは製造工程の段階で粘着物と剥離紙の分別を徹底するとともに、ポリエチレンラミネート紙からポリエチレンを分別してリサイクルできる技術を持つ日本製紙と共同して独自の収集/運搬スキームを構築することで、剥離紙を再生紙にリサイクルすることを可能とした。
この取り組みにより、剥離紙は段ボール原紙として再生され、その一部はニチバン製品の梱包用段ボールに再利用される。廃棄物を資源へと転換することで、資源循環型社会への貢献を果たすものであり、今後もニチバンと日本製紙は、持続可能な社会の実現に向け、環境負荷の低減と資源の有効活用に向けて継続的に取り組んでいく。
剥離紙の回収リサイクルの流れに関して、ニチバンは製造工程で発生する剥離紙の分別時に粘着物が混入しないための管理を行う。日本製紙グループの日本紙通商が、分別された剥離紙を専用ルートで収集/運搬し、集積、断裁、破砕、梱包する。ベール状にした剥離紙は日本製紙の工場へ搬入し、段ボール原紙にリサイクルする。
なお、ニチバングループは、環境方針としてプラスチック排出量の削減とリサイクル率向上を掲げ、2012年のゼロエミッション達成以降、廃棄物の99%以上をリサイクルする体制を維持し、サーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへの転換に注力している。
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