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新車生産は国内が不正からの回復でプラス、海外は中国で苦戦続く自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

乗用車メーカーの2024年7月の世界生産台数は、8社合計が3カ月連続で減少した。

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 乗用車メーカーの2024年7月の世界生産台数は、8社合計が3カ月連続で減少した。国内生産では、認証不正で生産を止めていたダイハツ工業が全モデルの稼働を再開したことや、不具合で生産を停止していたトヨタ自動車「プリウス」の稼働再開などもあり、プラスを確保した。

 一方、海外は依然として中国市場での競争激化により低迷していることに加えて、日産自動車とSUBARU(スバル)が北米でマイナスとなるなど、減少傾向が続いている。さらに6月初旬にメーカー各社が発表した型式指定申請に関する不正行為では、トヨタのみ9月まで稼働停止する事態となるなど、日系メーカーの復調にはしばらく時間がかかりそうだ。

 8社合計の世界生産は、前年同月比0.3%減の204万8222台だった。前年実績を上回ったのはホンダ、ダイハツ、マツダの3社にとどまった。このうち海外生産は、同2.1%減の128万3675台と3カ月連続で減少した。地域別では競争激化が続く中国が同10.6%減と大幅減となり、6カ月連続のマイナス。北米は同5.1%増と2カ月ぶりのプラスだった。国内生産は、前年同月比2.9%増の76万4547台で、2カ月ぶりのプラス。国内外で需要が堅調な他、ダイハツをはじめ稼働再開が進んだことが大きな要因となった。

2024年7月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 309,118 495,492 129,530 115,528 804,610
0.1 ▲ 1.0 6.2 ▲ 9.6 ▲ 0.6
ホンダ 61,679 233,346 120,491 72,753 295,025
4.6 5.0 18.0 0.4 5.0
スズキ 89,390 204,430 - - 293,820
8.9 ▲ 3.7 - - ▲ 0.2
日産 52,246 185,216 83,613 42,311 237,462
▲ 18.1 ▲ 10.8 ▲ 6.2 ▲ 26.9 ▲ 12.5
ダイハツ 66,558 71,693 - - 138,251
25.7 ▲ 1.3 - - 10.1
マツダ 78,529 33,244 21,893 4,871 111,773
8.7 10.3 13.4 ▲ 8.9 9.2
三菱自 45,442 41,228 - - 86,670
5.6 ▲ 8.3 - - ▲ 1.5
スバル 61,585 19,026 19,026 - 80,611
0.2 ▲ 19.9 ▲ 19.9 - ▲ 5.4
合計 764,547 1,283,675 374,553 235,463 2,048,222
2.9 ▲ 2.1 5.1 ▲ 10.6 ▲ 0.3
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

トヨタ自動車

 メーカー別に見ると、トヨタの7月のグローバル生産台数は、前年同月比0.6%減の80万4610台と6カ月連続のマイナスだったが、着実にマイナス幅を縮小している。このうち海外生産は同1.0%減の49万5492台と5カ月連続で前年実績を下回った。地域別で見ると、中国は、依然として続く厳しい販売競争により同9.6%減と落ち込み、6カ月連続で減少した。

 中国以外のアジアは、主力拠点のタイが経済低迷などにより前年同月比11.7%減となったが、インドネシアは同2.4%増、インドは堅調な需要に合わせて2023年5月に能力増強したこともあり同21.7%増と伸長。フィリピンも同38.6%増と好調だったが、中国とタイの落ち込みをカバーできず、アジアトータルでは同3.6%減と6カ月連続で減少した。主要市場の北米は稼働日が2日多いこともあり同6.2%増と2カ月ぶりのプラス。欧州もフランスの稼働日が5日多く、同3.4%増と3カ月ぶりにプラスへ転じた。

 国内生産は、前年同月比0.1%増の30万9118台と微増で、2カ月ぶりの前年超え。型式指定申請不正の「ヤリスクロス」「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」の生産は停止したものの、後席ドアハンドルの電気式スイッチ「e-ラッチ」の不具合が判明したプリウスの生産を堤工場(愛知県豊田市)第1ラインで再開した他、稼働日が前年同月より2日多かったこともありプラスを確保した。

 なお、ヤリスクロス、カローラフィールダー、カローラアクシオの3車種は2024年9月4日に3カ月ぶりに生産を再開した。ただ、認証不正はさまざまな影響をもたらしており、発売を予定する「クラウンエステート」やレクサス「GX」といった新型車の国内投入は延期することになった。

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