セブン‐イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)とAGCは2024年9月5日、セブン-イレブン店舗の設備老朽化に伴い発生した廃棄棚の板ガラス約4トン(約30店舗相当)を回収し、これを原料として生産した板ガラスを、再び新規店舗の部材に使用することで、店舗設備のガラス資源循環に日本で初めて成功したと発表した(AGC調べ)。
今回の協業では、廃棄棚の板ガラスを原料の一部とした板ガラスを、店舗における冷蔵販売設備のガラス部材として使用。板ガラスの生産は同年5月にAGC鹿島工場(茨城県神栖市)で行われた。
協業の概要
店舗由来の廃棄ガラスを活用して再び板ガラスを生成するためには、廃棄ガラスの回収、分類、選別の工程を通じて、高い品質要件を満たす原料カレット(ガラス端材)を精製することが求められる。
そこで、今回の協業では、セブン-イレブンが店舗で生じた廃棄棚の板ガラス回収を目的とした物流スキームの構築を担い、AGCは原料カレットの選別工程と品質を評価した。両社で廃棄棚の板ガラスのデータを収集/分析し、板ガラスへリサイクルが可能な組成であることも確かめた。今回の取り組みによって、約4.8トンのバージン原料の節減および約2.4トンの温室効果ガス(GHG)排出量削減に成功した。
協業の背景
建物由来の廃棄ガラスをリサイクルすることは、年間数十万トンに上る産業廃棄物の削減を後押しする他、珪砂やソーダ灰などバージン原料の節減につながり、サーキュラーエコノミーの促進に貢献する。ガラス製造における原料の輸入率低減にも寄与。また、原料カレットは、バージン原料に比べ少ない燃料で溶解でき、製造工程におけるGHGの排出削減にもつながる。
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