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±3.92kPaの圧力範囲を精度±1%FSで測定できる出力圧力センサー:組み込み開発ニュース
ミツミ電機は、デジタル出力圧力センサー「MMR920」シリーズを発表した。±3.92kPaの圧力範囲を精度±1%FSで測定できる。内部MEMSチップに採用した新MEMS構造により、感度が向上している。
ミネベアミツミグループのミツミ電機は2024年8月28日、デジタル出力圧力センサー「MMR920」シリーズを発表した。同年1月から月産10万個体制で量産している。
MMR920シリーズは、「屋内機器の圧力の見える化」をテーマとする新製品で、±3.92kPaの圧力範囲を精度±1%FSで測定できる。
ピエゾ素子に応力集中する新MEMS構造を採用し、従来製品「MS901」に比べて感度が約4.59倍となった。また、高性能24ビットΔΣAFEを搭載し、高速応答と高分解能(低ノイズ)を両立している。
変換時間は0.4、0.8、1.6、3.2ミリ秒を選択でき、実効分解能は変換時間に応じて1.9、0.9、0.4、0.2Pa RMSとなる。空調設備やエアコン、換気扇のフィルター目詰まりによる内圧変化や、医療機器の呼気による微小な圧力変化を検知できる。
採用した小型表面実装タイプのMEMS-12Bパッケージは、7.0×7.0×7.2mmと小型ながら、特許技術による新構造でMEMSチップ裏面から受圧する。また、ノズル部からの湿気や異物の侵入に対して耐性があり、セット側の基板の小型化や設計工数の削減に貢献する。
動作温度範囲は−40〜+60℃で、2024年度中に−40〜+85℃品の発売を予定している。出荷時にセンサーのばらつき、温度特性を補正するため、複雑なセンサー駆動や制御回路、補正は不要だ。
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