ミネベアミツミとルネサスが中小型高精度モーターで協業、小型化や開発期間短縮:FAニュース
ミネベアミツミとルネサス エレクトロニクスは2019年12月11日、共同でレゾルバ(角度センサー)付きステッピングモーターとレゾルバモーター制御ソリューションを新開発したと発表した。
ミネベアミツミとルネサス エレクトロニクスは2019年12月11日、共同でレゾルバ(角度センサー)付きステッピングモーターとレゾルバモーター制御ソリューションを新開発したと発表した。ロボットやOA機器、医療介護機器など、動作電圧48V以下の中小型高精度モーターを扱うアプリケーションに向ける。小型化や耐環境性の向上を図りつつ、開発期間の短縮に貢献する。
レゾルバ付きステッピングモーターは熱や振動など厳しい環境でも高精度にモーター制御が可能で、高負荷時にも止まらないという特徴がある。ミネベアミツミは今回、新方式のレゾルバを開発しステッピングモーターに搭載する。同モーターは脱調レス制御により既存製品と比較して2〜3倍の高トルク特性を持つとし、20万P/Rの高分解能による高位置決め精度、高トルク特性を生かした小型化など多くの利点を持つ。
ルネサスは、新方式レゾルバにも対応したレゾルバデジタルコンバーター(RDC)チップと、RDCを32ビットRXマイコンで制御するための制御ドライバソフトウェアを新たに開発した。また、ユーザーが同モーターを用いた開発にすぐ着手できるよう、レゾルバ付きステッピングモーターとRDC搭載の評価ボードなど開発ツール一式をまとめた「レゾルバ付きステッピングモーター制御キット」を用意した。
新RDCチップ「RAA3064002GFP」はマイコンと組み合わせて制御することで、高速応答、チップコストの低減、レゾルバセンサーの低コスト化を実現した。特に、高速応答性能では従来方式から大きく改善としており、タクトタイム短縮に貢献する。また、フィルター搭載により磁気ノイズ耐性も向上しており、S/N比が2分の1となった場合でも位置検出を可能とした。RDC制御ドライバソフトウェアは現時点でRX24Tに対応し、今後対応マイコンを拡充する予定だ。
レゾルバ付きステッピングモーター制御キットは、レゾルバ搭載ステッピングモーターに、ステッピングモーター用インバータボードとRDC搭載RX24T CPUカードを組み合わせ、開発支援ツールなどを同梱したもの。開発支援ツールとしてリアルタイム波形表示機能付きの「Renesas Motor Workbench」が用意されている。
レゾルバ付きステッピングモーターは、ミネベアミツミから2020年1月よりサンプル提供を開始し、2020年4月より量産を開始する。まず、56mm□、42mm□サイズのモーターから製品展開を始め、2020年後半には製品群第2弾として60〜85mm□サイズ、第3弾として20〜35mm□サイズにラインアップを拡大させる予定だ。レゾルバ付きステッピングモーター制御キットはルネサスが2020年1月に発売する。
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