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マブチモーターをArduinoで制御するArduinoで学ぶ基礎からのモーター制御(2)(1/5 ページ)

「マブチモーター」でもおなじみ「直流ブラシ付きモーター」は安価で入手性もよいモーターです。これをArduinoで制御するとしたら、何を理解して何を用意して、どんなプログラミンが必要でしょうか。実験します。

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マブチモーター「FA-130」

 「直流ブラシ付きモーター」は最も身近なモーターの1つでしょう。国内では「マブチモーター」がその代名詞として知られており、プラモデルやミニ四駆を楽しんだ世代の方ならば、子供のころから慣れ親しんだモーターといえます。

 マイコン(Arduino)によるモーター制御を学ぶこの連載、まずは数あるモーターの中でも、安価で入手性の良い直流ブラシ付きモーターの制御から始めたいと思います。この直流ブラシ付きモーターは手軽なモーターであることには違いないのですが、これをマイコンから制御しようとすると厄介なことも多いので、その対策などについて何回かに分けてお話したいと思います。

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直流ブラシ付きモーターの動作原理

 具体的な制御の話に入る前に、直流ブラシ付きモーターの動作原理を説明します。この種類のモーターは電源をつなぐだけで回転しますが、それは回転させるための機構が全てモーターに内蔵されているからです。

 図の三又に分かれているのがローター(あるいは回転子)といいます。ローターは磁化した金属で作られており、三又の付け根にはそれぞれ3組のコイルが巻かれています。コイルの両端は回転子の軸に取り付けられた整流子につながっています。この整流子は軸を三分割するように配置されています。ブラシは一度に2カ所の整流子に接触するよう、設置されています。図でいうと2つのブラシは(時計の文字盤方向で表すと)10時方向と2時方向の整流子につながっています。

直流ブラシ付きモーターの構造
直流ブラシ付きモーターの構造

 端子に電源を接続すると12時方向のコイルが通電します。すると電磁石効果で回転子が磁化します。するとケースの内側に固定された永久磁石との吸引/反発により回転子が回転します。

 このとき12時方向の回転子の先端がS極になり、それ以外の回転子の角がN極になります。12時方向の回転子がS極になるため、左にあるS極の永久磁石に反発し、また右にあるN極の永久磁石に吸引され回転子は時計方向に回転しはじめます。

 現在12時方向にあるS極の回転子が4時方向まで移動すると、12時方向に来るコイルに通電が切り替わり、先ほどの動作が繰り返され回転が持続します。なお、端子に加える電圧を逆方向にすると電磁石の極性が反転し、回転子は逆回転することになります。

【概要】Arduinoによる直流ブラシ付きモーターの制御

 直流ブラシ付きモーターの動作原理をご紹介したところで、今回はモーターの何をどのように制御するか、その概要を説明します。

 直流ブラシ付きモーターは機構的に、電源のON/OFFによる回転の開始/停止、電極の正負入れ替えによる回転方向変更しか行えません。今回は回転の開始/停止をArduinoのプログラミングから制御してみたいと思います。

 ただ、ArduinoのGPIOに直流ブラシ付きモーターをただ接続するだけでは動きません。モーターの仕様を把握し、Arduinoから制御できるように回路を調整し、その上で、Arduinoのプログラミングをする必要があります。

確認すべきモーターの仕様

 以下が今回の実験に用いるモーター(マブチモーター「FA-130RA」)の仕様です。大切なのは「使用電圧範囲」(FA-130では1.5〜3V)と「適正電圧負荷時の消費電流」(FA-130では500mA)です。仕様表上ではトルクや回転数などのスペックが並びますが、これらは組み合わせるギアボックスによって調整できます。

マブチモーター「FA-130RA」仕様
使用電圧範囲 1.5〜3.0V
適正電圧 1.5V
適正負荷 0.39mN・m(4.0gf・cm)
無負荷回転数 8600r/min
適正電圧・負荷時の回転数 6500r/min
適正電圧・負荷時の消費電流 500mA
シャフト径 2.0mm
重量 18g
外観寸法 25.0×20.1mm

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