ニュース
EMCノイズ対策製品の世界市場規模は2028年に4.9兆円へ:組み込み開発ニュース
矢野経済研究所は、EMCおよびノイズ対策関連の世界市場に関する調査結果を発表した。世界市場規模は2023年に3兆9909億円で、2028年には4兆8916億円に成長すると予測している。
矢野経済研究所は2024年8月21日、EMC(電磁両立性)およびノイズ対策関連の世界市場に関する調査結果を発表した。製品別や参入企業の動向、今後の市場展望などを明らかにしており、詳細は「2024年版 EMC・ノイズ対策関連市場の現状と将来展望」にまとめている。
EMCおよびノイズ対策関連製品は、電子機器が発するEMI(電磁妨害)や他の機器からのEMS(電磁感受性)による影響を防ぐために不可欠となる。電子機器が日常生活に深く浸透する中で、EMC技術の重要性は増しており、今後も市場は堅調に成長すると見込まれている。EMCやノイズ対策関連製品の世界市場規模は2023年に3兆9909億円で、2028年には4兆8916億円に成長すると予測している。
注目トピックとして、スマートフォンやタブレット端末などに使用する基板用金属シールドケースを取り上げている。大きな活用先の一つとなるスマホ市場が全体的に飽和状態であり、急激な低迷は無く横ばいに推移すると想定している。しかし、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術の発展に伴い、再び需要が拡大する可能性を示唆している。
また、現時点では市場において急成長につながる動きは見られないが、自動車業界や防衛関連市場でEMCおよびノイズ対策製品の採用が増加しており、さらなる需要拡大が期待できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- オープンコレクタがなければマイコンと外部機器はきちんと接続できない?
今岡通博氏による、組み込み開発に新しく関わることになった読者に向けた組み込み用語解説の連載コラム。第4回で取り上げるのは「オープンコレクタ」だ。 - 電子回路の「アイソレーション」を考える
今岡通博氏による、組み込み開発に新しく関わることになった読者に向けた組み込み用語解説の連載コラムがスタート。第1回で取り上げるのは「アイソレーション」だ。 - 負の相互インダクタンスを活用してノイズを除去するLキャンセルトランス
村田製作所は、負の相互インダクタンスを活用したLキャンセルトランス「LXLC21」シリーズを発表した。数M〜1GHzの高調波領域で電源ノイズ対策が可能となり、電子機器の小型化と高機能化に対応する。 - スタック型メタサーフェス電波吸収体を用いた電磁ノイズの可視化システム
パナソニック コネクトは、幅広い周波数の電磁ノイズを吸収できる、電磁ノイズ可視化システムを開発した。スタック型メタサーフェス電波吸収体を用いたセンサーを搭載している。 - 軽量で磁界/電界ノイズのシールド性に優れる新たなシート
JX金属は、「TECHNO-FRONTIER 2023(テクノフロンティア2023)」(2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト)で、開発中の「電磁波シールドシート」と微細配線形成できる「プリンテッドエレクトロニクス」を紹介した。 - 電源の低周波ノイズ抑制の効果をスピーカーで確認、ADIの「Silent Switcher 3」
アナログ・デバイセズ(ADI)は、電源ノイズの低減や高効率を特徴とするスイッチングレギュレーター「Silent Switcher」の最新製品となる「Silent Switcher 3」について説明した。