SUBARUがAI搭載クラウド型データ基盤を採用、部門横断で統合:製造IT導入事例
インフォマティカ・ジャパンのAI搭載クラウド型データ基盤「Intelligent Data Management Cloud」を、SUBARUが採用した。開発から保守までのデータを、顧客IDなどにひも付けて部門横断的に統合可能になった。
インフォマティカ・ジャパンは2024年8月22日、同社のAI(人工知能)を搭載したクラウド型データ基盤「Intelligent Data Management Cloud(IDMC)」を、SUBARUが採用したと発表した。
SUBARUは、これまで部門や業務ごとにサイロ化したシステムを使用してデータを扱っていた。そのため、事象の確認や原因分析、影響調査などの際に、部門を横断したデータ連携が難しいという課題を抱えていた。
課題解決に向け、SUBARUは2020年に「グローバルPLMプロジェクト」を開始。自動車の開発から生産、保守までの工程のデータを一元化し、正確に追跡できる、全社的なデータ統合プラットフォームの構築を進めてきた。
プロジェクトの初期には、オンプレミス製品の組み合わせを検討していたが、稼働後も柔軟に対応できるようクラウド上での構築を決定。ノーコードまたはローコード環境下でのデータ処理の標準化が容易で、少ない手順で多様なデータを効率的に処理できる点などを評価し、インフォマティカのIDMCを採用した。また、データカタログ機能により、IDMCで取得したデータの履歴情報をデータカタログ上で可視化し、BIツールへ橋渡しすることも可能になった。
2022年3月には、グローバルPLMを支えるデータ統合プラットフォームが本番運用を開始した。これにより、開発から製造、販売、保守に至るまでのデータを、顧客IDなどにひも付けて部門横断的に統合することに成功した。
導入以降、約400種類のデータアセットのカタログ化が完成している。SUBARUはBIツールなどを活用し、日常業務にデータ統合プラットフォームを活用するユーザーの範囲をさらに拡大していく。
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