キリン「氷結」で農家支援、IBMのブロックチェーン技術活用:製造IT導入事例
キリンビールは、社会貢献型商品「氷結 mottainai 浜なし」の果汁トレーサビリティープラットフォームを、IBMのブロックチェーンソリューションを活用して導入した。
日本IBMは2024年8月2日、キリンビールが2024年5月に発売した社会貢献型商品「氷結 mottainai 浜なし」の果汁トレーサビリティープラットフォーム導入を、IBMのブロックチェーンソリューションを活用して支援したと発表した。
氷結mottainaiシリーズは果実のフードロス削減と農家支援を目的とした新商品で、「浜なし」はその第1弾となる。規格外のため廃棄予定の果実を商品に使用してフードロスを削減するとともに、商品の売り上げ1本につき1円を果実農家へ寄付し、支援につなげる。
日本IBMは、ブロックチェーンソリューション「IBM Supply Chain Intelligence Suite」のモジュール「IBM Blockchain Transparent Supply」を利用して、原料である果実の生産から商品が完成するまでの情報を可視化するトレーサビリティープラットフォームの構築と導入をサポートした。
商流の記録だけでなく、運搬時の温室効果ガス排出量や再生可能エネルギー調達に関する証跡など、サステナビリティー関連の情報もブロックチェーン上で連携可能だ。
キリンビールは今後、ブロックチェーン上の情報を活用して、消費者が果実農家を直接支援する他、支援に対してより明確な活動結果を伝えられる仕組みの構築を検討する。これにより、サプライチェーンのサステナビリティ情報に加え、果実農家のこだわりやフードロス削減への思いも消費者に伝えることを目指す。
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