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NVIDIAが毎年新製品を投入できる理由、半導体設計のコーディングにLLMを活用組み込み開発ニュース

NVIDIAは、高性能チップの国際学会である「Hot Chips 2024」での講演内容について発表した。

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 NVIDIAは2024年8月23日(現地時間)、高性能チップの国際学会である「Hot Chips 2024」(米国スタンフォード大学とオンラインのハイブリッド開催、同年8月25〜27日)での講演内容について発表した。

 今回の講演は全て新たなプラットフォーム「Blackwell」に関連する内容になっている。8月25日は、スーパーコンピュータやAI(人工知能)データセンターの冷却効率を大幅に高めるハイブリッド液冷ソリューションと、Blackwellで実現される浮動小数点演算ベースのAI処理性能の20PFLOPSを可能にするFP4(4ビット浮動小数点演算)の基盤となる「NVIDIA Quasar Quantization System」、Blackwellのチップ設計においてハードウェア記述言語のVerilogのコーディングにLLM(大規模言語モデル)を適用して設計作業を効率化した事例という3つのチュートリアル講演が行われる。

プラットフォームとしての「Blackwell」のイメージ
プラットフォームとしての「Blackwell」のイメージ[クリックで拡大] 出所:NVIDIA

 8月26日は、新アーキテクチャを採用したGPUだけでなく、CPUの「Grace」、サーバ間を1.8TB/sの高速で接続するインターコネクトICの「NVLink 5 Switch」、NIC(ネットワークインタフェースコントローラー)の「CX8 Super NIC」、イーサネットスイッチIC「Spectrum-X800 Ethernet Switch」などから構成されるプラットフォームとしてのBlackwellの詳細と、生成AIモデルを実行した事例などを紹介する講演を行う。

 なお、ハイブリッド液冷ソリューションについては、米国エネルギー省の開発プログラムの一環として進められており、液冷システムで一般的なチラーを用いることなくサーバの各チップに温水を供給する方式となっている。これにより、冷却効率の向上、運用コストの削減、サーバシステム寿命の延長、発生する熱の再利用の可能性といったメリットが得られるとしている。総合的には、データセンターの使用電力を従来比で28%削減できるという。

 NVIDIAは、2024年内にBlackwellのプラットフォームをリリースした後、2025年にはHBM3eのメモリ容量を1.5倍の288GBに増やしたGPUの「Blackwell Ultra」などによってBlackwellプラットフォームを強化する。そして2026年には、GPUやCPU、インターコネクトICのNVLink、NIC、イーサネットスイッチICなどを全て刷新した次世代プラットフォーム「Rubin」を投入する計画だ。2027年にはBlackwellと同様にRubinプラットフォームを強化する。このように毎年1製品の投入ペースを維持する上で、複雑化する半導体設計の効率化にLLMを活用する取り組みが生かされているという。

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